いつまでシスプラチン+エトポシド併用療法を続ければいいのか

回答者●古賀文隆
がん・感染症センター都立駒込病院腎泌尿器外科部長
発行:2022年4月
更新:2022年4月

  

2005年PSA値が上昇し、前立腺がんと診断され、小線源療法を受けました。2017年局所再発してホルモン療法(リュープリン注射+カソデックス内服)を受けました。途中、リュープリンを継続しながらカソデックスをオダインに切り替えました。2020年8月から抗がん薬タキソテールの点滴治療を開始。2021年6月、MRI検査後に針生検を実施し前立腺小細胞がんと診断、膀胱、尿管に浸潤が確認されました。7月から抗がん薬シスプラチン+エトポシドの併用療法が開始され、現在まで7クールを終了しました。いつまでこの治療を続ければいいのでしょうか。また、いまの治療が効かなくなったら、どのような治療法が残されているでしょうか。

(73歳 男性 東京都)

放射線治療も選択肢だが、有効な放射線量が照射可能か相談を

がん・感染症センター都立駒込病院
腎泌尿器外科部長の古賀文隆さん

前立腺小細胞がんは通常のホルモン療法に抵抗性であるため、シスプラチン(一般名)+エトポシド(商品名ペプシド/ラステット)やドセタキセル(商品名タキソテール)などによる化学療法が用いられます。通常の前立腺がん成分が混在するケースではホルモン療法も併用されます。また、放射線治療(抗がん薬を併用する化学放射線療法)も有効であることが知られています。

相談者の場合、シスプラチン+エトポシドが有効であるようなので、この治療を継続していくことになるかと思います。転移がないようであれば、膀胱と尿管を含めた病変部に対する放射線治療も選択肢になると思います。

相談者は初期治療で前立腺に対する小線源療法を受けているため、有効性が期待される放射線量を、前立腺を含む領域に安全に照射可能かどうかを放射線治療医に確認する必要があります。まずは、放射線治療の可能性について主治医に相談することをお奨めします。

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