高齢者に抗がん薬治療は必要か

回答者●古賀文隆
がん・感染症センター都立駒込病院腎泌尿器外科部長
発行:2022年6月
更新:2022年6月

  

2020年、PSA値が180を超え生検の結果、前立腺がんと診断されました。肺、骨盤に遠隔転移も確認されました。ホルモン療法(リュープリン+ビカルタミド)を開始。PSA値が一旦低下したものの、再上昇したためビカルタミドをやめて、オダインに、次にザイティガに変更になりました。

PSA値は0.1まで下がりましたが、2022年3月にPSA値が2と再び上昇してきました。主治医からホルモン療法が効かなくなったと言われ、抗がん薬治療を勧められました。80近い高齢の私に抗がん薬治療が必要でしょうか。他に治療法はないのでしょうか。

(79歳 男性 静岡県)

80歳以上でも減量して抗がん薬治療を

がん・感染症センター都立駒込病院
腎泌尿器外科部長の古賀文隆さん

転移のある去勢抵抗性前立腺がん(1次ホルモン療法が効かなくなった状態)に対する治療は、ザイティガ(一般名アビラテロン)などの新規アンドロゲン受容体標的薬(ARAT)とタキソテール(同ドセタキセル)などの抗がん薬を順次的に用いて病状をコントロールしていくことが基本になります。

ザイティガ内服中にPSAが上昇している相談者の場合、病状コントロールの点からタキソテールが第1選択になると思います。

新規ARAT内服薬のイクスタンジ(同エンザルタミド)も候補に挙がりますが、ザイティガ→イクスタンジの順次治療は、タキソテールと比較して治療効果が低いことがわかっています。

前立腺がんの患者さんは高齢者が多く、80歳以上であってもタキソテールによる治療を受ける患者さんは多くおられます。その場合、量を減らして投与することが一般的です。

副作用には食欲低下、脱毛、骨髄抑制(白血球減少など)、手足の痺れなどがありますが、タキソテールは抗がん薬治療全体の中では比較的副作用が軽い抗がん薬治療に位置づけられます。実際、高齢の患者さんで、副作用を殆ど経験しない方もおられます。相談者には、まずは1コース治療を受けることをお勧めしたいと思います。通常、3~4週ごとに4~5コース投与して治療効果を評価しますが、副作用がつらければ1コースでやめることも可能です。

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