しびれや脱力感があるが、薬の副作用か

回答者●古賀文隆
がん・感染症センター都立駒込病院腎泌尿器外科部長
発行:2022年8月
更新:2022年8月

  

2010年末にPSA値が4を超え、2015年には10を超えたためCAB療法を始め、途中4回ほどビカルタミドを休薬し、現在はCAB療法でPSA値は0.260で推移しています。

そこでご相談ですが、2年ほど前から痺れが手足以外、口唇あたりにも散発するようになりましたが、たいしたことでもなかったので気にしていませんでした。

今年の2月に無症候性の脳梗塞が見つかり、バイアスピリン、ロスバスタチン、ラベプラゾールを服用するようになると、痺れのレベル、量ともに増大してきました。同時にゾラデックスの副作用に記載されている脱力感、筋力低下、足のむくみが感じられるようになってきて、ときには動きたくなくなります。

4月初めも泌尿器科の定期診察で、ピカルタミドだけでも休薬できないか伺ったところ、もう少し様子を見ようということになりました。4月に脳神経外科で症状を聞いてもらいましたが、脳外の範疇ではなさそうだとなりました。服用している薬の相乗作用か、それとも他に考えられることがあるのでしょうか。

(87歳 男性 埼玉県)

CAB療法は一旦休止する選択肢も

がん・感染症センター都立駒込病院
腎泌尿器外科部長の古賀文隆さん

前立腺がんの拡がり(病期)に関する情報が不明ですが、質問者がCAB療法(男性ホルモン除去療法+ビカルタミド服用)を始めた理由は自覚症状の出現ではなく、PSA上昇であったと理解しました。

現在PSA値が低値で推移していること、男性ホルモン除去療法の副作用(脱力感や筋力低下など)がみられること、および質問者の年齢を考慮すると、CAB療法は一旦休止するという選択肢もあると考えます。CAB療法を休止しても、数年間は男性ホルモンが抑制された状態(男性ホルモン除去療法を継続しているのと同じ状態)が続くと想定されます。

CAB療法休止後も定期的にPSAを測定し、PSAの急上昇や前立腺がんによる症状が出現するまでは男性ホルモン除去療法を待機する方針で、経過観察を続けていくことがよろしいかと思います。

CAB療法の副作用で、痺れの症状が出ることは一般的ではないと思います。痺れの部位によっては、整形外科的疾患が原因である可能性もあると思いますので、整形外科受診を含めて脳外科担当医と相談されることをお奨めします。

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