放射線治療は効果ないと聞いたが

回答者●古賀文隆
がん・感染症センター都立駒込病院腎泌尿器外科部長
発行:2022年11月
更新:2022年11月

  

2022年1月、PSA値が9.1となり前立腺がんと診断されました。5月にダビンチで前立腺全摘手術を受け、病理検査の結果、がん細胞は精嚢に浸潤していて、摘出したリンパ節14個のうち1個に転移が見つかりました。グリソンスコアは4+5=9(高悪性度)でした。

術後1カ月のPSA値は0.117、8月には0.189でした。主治医からはPSA値が0.2を超えたらホルモン療法を行う予定だと聞いています。ホルモン療法はどのくらいの期間、治療を受けるのでしょうか。また放射線治療はあまり効果がないと聞きましたが、そうなのでしょうか。

(71歳 男性 山梨県)

ホルモン療法と放射線治療の併用が有効

がん・感染症センター都立駒込病院
腎泌尿器外科部長の古賀文隆さん

ご相談者のように前立腺全摘除の病理検査の結果で局所進行がん(精嚢浸潤およびリンパ節転移あり)と判明し、PSA再発(0.2を超えて上昇)を来した場合、現状では男性ホルモン除去療法(ADT)と救済放射線治療の併用が最も効果的な治療と考えられています。

このような病状に対する放射線治療は有効と報告されており、ADTの併用により、放射線治療効果が高まることが期待されます。ADTはLH-RHAアナログ皮下注射とビカルタミド内服の併用が一般的であり、治療期間については信頼性の高いデータが少ないため、診療ガイドラインなどに最良の治療期間について明記されておらず、施設ごと(あるいは医師ごと)に方針を設定して実施されているのが現状と思います。

都立駒込病院では、リンパ節郭清により1~2個までの転移が確認され、PSA再発を来した症例に対する救済治療として、ADT2~3年+骨盤リンパ節と前立腺床(元々前立腺のあった部位)に対する放射線治療をIMRT(強度変調放射線治療)で実施しています。ADTを2~3年に設定している根拠は、局所進行がんを放射線治療で治す場合、同期間のADTが標準治療として行われるためです。

PSA再発後の治療方針について、主治医とよく相談されることをお奨めします。

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