4年前に前立腺全摘。5年経過すれば再発の心配はないか
4年前に、前立腺がんのステージA1と診断され、前立腺の全摘除術を受けました。「すべて切除できて、周囲への転移はない」と言われました。幸い、術後も順調で、PSA値は0.2以下でした。最近、PSAの測定法が変わりました。従来の測定法よりも高感度で、1番低いのが0.008未満とのことです。この高感度の測定法では0.008未満です。まもなく術後5年ですが、5年経過すれば、前立腺がんは根治し、再発の心配はないと言えますか。
(大分県 男性 67歳)
A 再発の可能性は少ないが、ないわけではない
PSAはがんだけで上がるわけではありません。前立腺肥大症や、正常な前立腺細胞からもつくられます。手術は前立腺全摘ですから、がん細胞だけでなく、前立腺肥大症も正常な前立腺細胞もすべて切除します。ですから理論的には手術後にはPSAはゼロになります。手術後の経過は良好のようなので、再発の可能性は少ないと思います。しかし、再発がないわけではありません。もしかすると、5年以後にPSAが0.2~0.4に上がるPSA再発をきたす可能性もあります。ただし、PSA再発から骨や、リンパ節転移になるまでに7~8年はかかります。高感度の測定法による数値で、一喜一憂しないことが大切です。