骨を強くするための運動療法、食事療法を知りたい

回答者:赤倉 功一郎
東京厚生年金病院 泌尿器科部長
発行:2008年5月
更新:2013年12月

  

2003年4月、がんが見つかって、前立腺の全摘手術を受けました。手術して1年半後からがんの進行を抑えるホルモン注射を月に1度のペースで受けています。最近、定期検診で、骨密度が低下し、骨が弱くなる骨粗鬆症になる可能性のあることがわかりました。骨の強度を維持するには、どんな運動療法や食事療法をしたらよいのでしょうか。

(福井県 男性 75歳)

A 少し汗ばむくらいの運動と、カルシウムの摂取を

ホルモン療法は、男性ホルモンの不足によって、筋肉が落ちる、皮下脂肪が増える、骨がもろくなる骨粗鬆症という副作用があります。一般的に、顔がふっくらして、太りやすく、疲れやすくなります。筋肉が落ちる、皮下脂肪が増えるという副作用は抑えられませんが、骨がもろくなる副作用は、運動療法や食事療法などによって改善します。

運動療法は、少し汗ばむくらいの運動を毎日30分から1時間ほど行うと効果的かと思います。食事療法では、カルシウムの摂取に心がけてください。牛乳やヨーグルト、チーズ、小魚などを食べるようにしてください。また、ビタミンDも大切です。ビタミンDの活性化には日光が関係していますから、屋外の運動で、日光を適度に浴びることが重要です。

骨粗鬆症の程度によっては、ビスホスホネート製剤(骨吸収抑制剤)の内服や注射も有効です。この治療で骨が丈夫になって、病的な骨折などの骨関連のトラブルが減ることが明らかになっています。運動療法と食事療法、ビスホスホネート療法の3つをうまく組み合わせて、骨の強度の維持に取り組んでください。

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