治療はせずに「様子を見る」と言われたが不安
先日、前立腺の針生検を受けた際、10本のうち1本にがんが認められました。比較的おとなしいがんだそうで、グリソンスコアは5、PSA値は8、病期はT1c期と言われました。当然、何らかの治療があるかと思いましたが、「待機療法」といって、「当面、様子を見ましょう」と言われています。がんがあるのに、何も治療をしなくて本当によいのか不安です。
(新潟県 男性 73歳)
A 悪性度の低いがん。年齢を考慮すると待機療法もあり
高齢で亡くなった男性を解剖してみると、3~5割ほどの方に小さな前立腺がんが認められます。そうした人たちは、前立腺がんがあっても、別の病気などで亡くなったわけで、前立腺がんが死因にはなっていません。これはいわゆる天寿がんで、治療の必要のないがんと考えられます。
ご相談者はPSA値が8で、病期がT1c期ということですから、早期の前立腺がんです。グリソンスコアが5ということは悪性度も低く、おとなしいがんといえます。そして73歳という年齢を考えると、待機療法は選択肢に十分入ると思います。
「当面、様子を見る」という意味は、定期的に(2カ月に1回程度)PSA検査をするということです。それで、もしPSA値が急激に上昇するようであれば、がんが急速に大きくなっている可能性が高いため、何らかの治療を考えるべきです。