手術の後、尿もれで困っている。何かよい解決策は?

回答者:島田 誠
昭和大学横浜市北部病院 泌尿器科教授
発行:2007年5月
更新:2013年12月

  

1年5カ月前に前立腺がんの手術(前立腺全摘除術)を受けました。それ以降、尿もれで困っています。咳をしたときや、腹部に力が加わったときにもれてしまいます。薬を出してもらっていますが、あまり効果はないようです。何かよい解決策はないでしょうか。

(東京都 男性 68歳)

A 尿道を締める筋肉を強化する骨盤底筋体操を

前立腺がんで前立腺全摘除術を受けた場合、ある時期までは100パーセントの人に尿もれが起こります。ところが、手術後3カ月ほど経過すると、95パーセント程度の人の尿もれは、日常生活に支障をきたさない程度にまで回復します。尿もれ用のパッドが不要になるか、1日1枚程度ですむようになるのです。

ただし、尿もれが完全にゼロになることはありません。くしゃみをしたときに少しもれるくらいのことは、手術を受けたほとんどの人に起きています。その程度なら、パッドなどで十分に対処できるでしょう。

残りの5パーセントほどは、日常生活に支障をきたすほどの尿失禁が残ります。このような場合には治療が必要で、症状によっては手術が行われることもあります。

ご質問の内容から推察すると、あまりひどい尿もれではないようです。しかし、薬を処方されているのですから、たまにもれるだけではなく、QOL(生活の質)を低下させるような状況が起きているのかもしれません。

このような場合には、外尿道括約筋を強化する骨盤底筋体操が勧められます。外尿道括約筋は、膀胱や尿道を下から支え、尿道を締める働きをしている筋肉です。

手術によってこの筋肉の力が弱くなり、そのために尿道を締める力が衰えると、尿もれが起こるようになります。そこで、この筋肉を強化する体操が勧められるのです。

排尿時に尿を止めてみたり、おならが出るのを防ぐように肛門を締めてみたりすると、外尿道括約筋に力を入れる感覚を体感することができます。肛門が引っ張り上げられるような感覚があれば、うまく筋肉が収縮しています。

力を入れる感覚をつかめたら、次のような体操を行います。

(1) 筋肉を締め、その状態を5秒間(目標10秒間)維持します。

(2) 筋肉の収縮と弛緩を、できるだけ素早く繰り返します。

この体操を、手術を受ける前から行っていると、尿もれが軽減されることが明らかになっています。理想を言えば手術前から行ったほうがいいのですが、たとえ手術後でも、筋肉を強化することは、尿もれの改善に役立ちます。ぜひ行ってみてください。

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