2期の胃がん。術後に抗がん剤治療は必要か

回答者:山口 俊晴
がん研有明病院 副院長・消化器外科部長
発行:2008年3月
更新:2019年7月

  

2期の胃がんと診断されました。手術を受けるつもりです。担当医の説明では、手術後は再発を予防するために、抗がん剤治療もしたほうがよいとのことです。手術後の抗がん剤治療は、受ける必要があるのでしょうか。受けないと、影響はあるのでしょうか。また、手術の方法にはいろいろあるようですが、どんな手術の方法が適切なのでしょうか。

(高知県 男性 61歳)

A 原則として、術後に抗がん剤治療を行うべき

2期の胃がんであれば手術だけでも治る可能性が高いのですが、術後に抗がん剤を服用することでさらに助かる確率を高くすることができます。3年生存率で比較すると、手術後にTS-1を服用した場合は72.2パーセントで、手術だけの場合の60.1パーセントよりも約10パーセントも上回っています。

このデータで示されるように、術後補助療法による再発予防効果がわかってきました。ですから、原則としてステージ2であれば、術後に抗がん剤治療を行うべきでしょう。ただし、術前にステージ2と思っても、手術をしてみるとリンパ節転移がなかったり、思ったよりもがんの深さが浅かったりすることがあります。その場合には化学療法は必要ないかも知れません。

手術は、標準的な胃切除、つまり胃の切除と転移の可能性のあるリンパ節を取り除きます(D2郭清といいます)。切除した標本をよく見てもらって,最終的なステージを知ってから、抗がん剤治療を行うべきかどうか決定したらよいと思います。

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