早期胃がんに対する腹腔鏡手術について

回答者:山口 俊晴
がん研有明病院 副院長・消化器外科部長
発行:2005年6月
更新:2019年7月

  

先月、検査を受けて胃がんの1a期(大きさは3センチ)だろうという診断を受けました。開腹手術を勧められましたが、インターネットで腹腔鏡による手術も可能だという情報を目にし、担当医に尋ねるとその病院では無理とのこと。なるべく身体に負担のかからない治療を受けたいのですが、他の施設へ行ってでも腹腔鏡手術を受けるメリットはありますか?

(広島県 男性 55歳)

A 医師の技術が大きく作用する

腹腔鏡下手術のメリットは、(1)傷が小さい、(2)患者さんへの負担が小さい、(3)早期に退院できる、(4)傷が小さいため術後の疼痛が少ない、などがあります。一方、その意義を疑問視する意見として(1)傷が小さいがほかに器具を挿入する穴(1~2センチ)が必要で通常の開腹手術と差が無い、(2)手術に時間がかかる、(3)特殊な機器を多数使用するためコストが高い、(4)術後しばらく経過すると開腹であろうと腹腔鏡下手術であろうと患者の生活の質に差はなくなる、というものもあります。

腹腔鏡下手術は熟練者ならば開腹と同等の手術を行うことが可能ですが、両者の差のそれほど大きくないことも事実です。また、熟練者が少ないことも問題です。治療を受ける病院に熟練した医師がいれば早期胃がんには腹腔鏡下手術でよいでしょうが、あえてほかの遠くの施設に転院する価値があるかは、前述のことを読んでご自分で判断されるしかありません。

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