腫瘍の大きさ5cm。腹腔鏡での手術が可能か
胃に腫瘍が見つかり、手術をすることになりました。腹腔鏡下手術だと、傷が小さくて治りが早いとのことですが、自分も対象となるのでしょうか。腫瘍の大きさは5cmで、がんが外側にまで達している進行胃がんかもしれないと言われています。
(東京都 女性 48歳)
A 標準治療ではない。進行がんでは開腹手術を
胃がんの腹腔鏡手術は、現在のところ標準的な治療ではありません。まだ技術的に一般化されていないことが、大きな理由です。
また、進行胃がんでの腹腔鏡下手術は、開腹手術よりも治療経過がよくないことが心配されていますので、基本的にはお勧めできません。ただし、早期の胃がんでは、進行胃がんほど広い範囲のリンパ節郭清は必要ないため、手術後の回復が早いなどの利点をとり、標準治療ではないものの、腹腔鏡手術が比較的広く行われています。
ただし、その場合でも手術する医師が十分な腹腔鏡手術の経験と実績があるのか、確認するほうがよいでしょう。5cmの大きさとのことですが、がんが漿膜の外側に達している場合は、リンパ節転移の可能性も高く、進行胃がんとしてリンパ節の郭清を行う必要があるので、開腹手術をお勧めします。