2015年8月
告知ポスター7月27日は「世界頭頸部がんの日」。世界頭頸部癌学会(IFHNOS)が、昨年(2014年)7月に米ニューヨークで開催した第5回IFHNOS会議において、頭頸部がんの予防と早期発見を目指して正しい知識を世界規模で普及させることを目的として、毎年7月27日を「世界頭頸部がんの日」とすることを宣言し、定められた。がんサポートでは「世界頭頸部がんの日」を機に、日本頭頸部癌学会(理事長:林 隆一...
2015年8月
「頭頸部がんは個別化治療が進んでいくと思います」と話す稲葉浩二さん 根治を目指すとともにできる限り機能を温存したいのが頭頸部がんの治療。近年、放射線と化学療法を併用した治療法の有効性が明らかとなり、根治と機能温存の両立が可能になってきた。2012年12月、分子標的薬が加わったことにより、治療選択肢はますます広がっている。 シスプラチンに続き、分子標的薬のセツキシマブが登場 頭頸部がんは1つの疾病で...
2010年9月
静岡がんセンター リハビリテーション科部長の 田沼明さん 脳卒中などの病気では、リハビリテーションが治療の一環として行われているが、がんの治療後にもリハビリが求められることは多い。 とくに、頭頸部がんは治療による機能障害が大きい部位。 先進的にリハビリに取り組んできた静岡がんセンターリハビリテーション科部長の田沼明さんによると、手術を受ける「患者の6~7割にリハビリが必要」という。 ...
2009年8月
横浜市立大学 顎顔面口腔機能制御学教授の 藤内祝さん 手術による機能の損傷や容貌の変化が大きく、患者にとって辛いがんの1つである口腔がん。 今、その口腔がんに対して、切らずに治す方法を積極的に取り入れているのが、横浜市立大学顎顔面口腔機能制御学教授の藤内祝さんです。 藤内さんらが行っているのは、がんの病巣に抗がん剤を集中させ、放射線治療を併用する、超選択的動注化学放射線療法。 一体どういった治...
2009年7月
癌研有明病院頭頸科部長の 川端一嘉さん 下咽頭がんの手術といえば、これまで、がんを取り除く代わりに、音声と嚥下の機能喪失というのが相場だった。しかし、癌研有明病院頭頸科では、マイクロサージャリーという武器を駆使することによりこの難題を克服することに成功。すでに2000件以上の手術を行い、成功率は97パーセントという。 2人の医師が手術台を挟んで向かい合い、それぞれの接眼レンズをのぞいて...
2009年2月
東京医科歯科大学医学部 腫瘍放射線学科教授の 渋谷 均さん 放射線治療は、臓器が温存されて機能の損傷が少ないのが最大の利点です。この特徴を生かして、東京医科歯科大学放射線科では、古くから舌がんを始めとする口腔のがんに小線源治療を中心に放射線治療を行ってきました。同科教授の渋谷均さんによると、1期、2期の舌がんは、ほとんど手術と治療成績も変わらないといいます。しかし、患者からのニーズが高まる一方で...
2008年3月
癌研有明病院頭頸科医師の 福島啓文さん 喉頭がんなどで声帯を失った場合、声の回復には食道発声などが勧められます。しかし、努力を重ねても習得できる人は限られています。これに対して、欧米ではプロヴォックスなど気管と食道をつないで肺の空気を声に変える「気管食道シャント法」が中心。訓練も不要で、より自然に近い発声ができます。最近日本でもようやく注目されてきました。 喉頭や下咽頭がんで声を喪失 [のど...
2005年12月
日本大学付属板橋病院 耳鼻咽喉科教授の 木田亮紀さん 首から上の顔などにできたがんは、手術をすると容貌が損なわれたり、食事や会話ができなくなったりして、患者は大きな苦悩を背負わされることになる。 そこで、こうした大きな後遺症をなくし、治療後も快適に過ごすことができる治療法が生まれてきた。 「超選択的動注化学・放射線併用療法」と呼ばれる、抗がん剤と放射線の新しい併用療法だ。 がんを支配...
2005年9月
頭頸部がんの腫瘍専門医師の田原信さん 鼻、口、あご、のど、耳などをまとめて頭頸部といい、ここにできるがんを頭頸部がんと総称します。昔は手術が主流でした。 しかし、手術をすると顔に傷ができたりひん曲がったりえぐれたり、食べられなくなったり喋れなくなったりします。そこで最近では、そうした形状や機能を温存する化学放射線治療が普及してきています。命が助かるのはもとより、治療後の生活の質も重要ですから当然...
2004年11月
埼玉医科大学形成外科教授の 中塚貴志さん 頭頸部には、味覚・視覚・聴覚・燕下・咀嚼・発声など、人が生きる上で非常に重要な機能が集約されており、この部位への障害は直接QOLの低下につながる。 また、頭頸部は個人の識別となる顔面形態・表情を形成しており、美的観点からしても障害がQOLの低下につながる。 そのため、この部位に生じた悪性腫瘍の切除後の再建は、患者にとって必要不可欠であり、形成外...