2006年1月
成長率 年40~50パーセント1999年4月、東京・世田谷の閑静な住宅地の一角に、クリニックがひっそりとオープンした。瀬田クリニック――日本で初めての活性化自己リンパ球療法によるがん治療専門クリニックである。一部マスコミでは「副作用のない夢のがん治療法」と喧伝され患者の期待を集めたものの、がん治療を専門に手がける医師、研究者からはほとんど見向きもされることがなかった。これが日本での一般のがん患者を...
2006年1月
大阪大学大学院免疫造血制御学 研究室教授の杉山治夫さん 丸山ワクチンとどう違う?がんの免疫療法は、免疫機能全体を高める治療から、がんに対する免疫機能に絞って、つまりがんを狙い撃ちする新しい免疫療法の時代に入っている。このことは、すでに述べられ繰り返しになるが、その狙い撃ち療法として1990年代から期待されてきたのが1つは先にも紹介された樹状細胞療法、そしてもう1つは新しいがんワクチン、「がん抗原」...
2006年1月
患者さんのがん細胞だけを敵と認識する治療用細胞をオーダーメイド がん細胞は、リンパ球の攻撃を巧みに避け、どんどん成長してしまいます。これまで主流とされてきた免疫細胞療法の多くは、血液からリンパ球を取り出して体外で増殖し、活性化した後に患者さんに戻すという治療ですが、患者さんのがん細胞に的を絞って効率よく治療することは困難でした。 「樹状細胞」は、リンパ球に細菌やがんなどの体内の異物を攻撃するよ...
2006年1月
風邪をひくと「それは免疫が落ちているからだよ」、「もっと栄養のあるもの食べて免疫力をアップしなきゃ」などとよく言います。 ことほどさように今や、免疫という言葉は、誰もが知っています。しかし、この免疫ほど誤解され間違って使われているものもないのです。 実は、免疫というのは、そう単純なものではありません。非常に複雑怪奇でさまざまなものが錯綜し、微妙なバランスの上に成り立っている体のシステムなのです。こ...
2004年9月
千葉大学大学院医学研究院 免疫発生学教授の中山俊憲さん がんの進行を抑制する新しい治療の手T細胞や、ナチュラルキラー(NK)細胞という免疫細胞なら聞いたことがあっても、NKT細胞という免疫細胞を知っている人はそう多くはないのではないか。知っているなら、かなりの免疫通といえよう。そのNKT細胞をターゲットにおいた新しい免疫療法が、今臨床の現場で大きな注目を集めている。 [NKT細胞による細胞免疫療...