FP黒田尚子のがんとライフプラン 6

お葬式のお金を抑えるポイントは?

黒田尚子●ファイナンシャル・プランナー
発行:2014年8月
更新:2015年10月

  

くろだ なおこ 1992年大学卒業後、大手シンクタンク勤務中にFPの資格を取得。98年にFPとして独立後、個人に対するコンサルティング業務のかたわら、雑誌への執筆、講演活動などを行っている。乳がん体験者コーディネーター

家族が亡くなって、簡素な葬儀を希望していたにも関わらず、業者から「セット料金だから変更できない」と言われたり、見積書の提示もなく、葬儀後に高額な請求が届いたり……

家族を亡くしたパニック状態で、あわてて契約してトラブルにならないよう、お葬式の費用を抑えるポイントについてまとめてみました。


お葬式に関して一番関心の高いのは、やはりどれだけお金がかかるか?でしょう。葬儀費用の全国平均では188万9千円。この調査は3年に1回実施され、前回の調査から約5.5%減少しているものの、それでも高い!と思わずにはいられません。もちろん、これはあくまでも平均額。

一般的な葬儀費用は、❶葬祭費用(祭壇・棺・仏具一式など葬儀社に直接支払う費用および火葬料など葬儀社が立て替える費用など)❷飲食・接待費用(通夜から精進明けまでの飲食の費用)❸寺院の費用(お寺へのお布施・神社への祭祀料など)を合計した金額です。

そして、基本的に葬儀費用の金額は、葬儀の形式(スタイル)や宗教者の有無、商品のグレードなどで変わってきます。

【お葬式の種類や形式】

一般的な葬儀ホールなら、まず規模を小さくできないか検討します。とくに人数は重要で、参列者の人数が増えると、広い式場が必要となりますし、それに見合ったランクの祭壇を設置しなければバランスが取れません。飲食代や返礼品の数も増えます。ただし、参列者が予定よりも少なければ、それだけ香典の総額も少なくなる点には注意しましょう。

そして、重要なのは必ず事前に見積書を業者からもらうこと。パンフレットを見せられ、パック料金のプランを選んだものの、見積書はなし。後から請求書が送られてくると、無断でドライアイスや献花などの高額な料金が追加されていたなんてケースもあります。

また見積もり段階でも、最低金額を提示しながら、「もうワンランク上になるとこんなに良くなります」と勧めます。その結果、費用が膨らまないよう、最初から、寺院の費用を差し引いた予算額の8割程度の金額を提示し、その予算内でやってもらうようにこちらの希望をはっきりと伝えましょう。

188万9千円=日本消費者協会「第10回葬儀についてのアンケート調査」(2014年1月)

同じカテゴリーの最新記事

  • 会員ログイン
  • 新規会員登録

全記事サーチ   

キーワード
記事カテゴリー
  

注目の記事一覧

がんサポート11月 掲載記事更新!