骨悪性線維性組織球腫の肺転移の疑い。治療法は
昨年(2014年)3月、左の脛の骨悪性線維性組織球腫と診断され、腫瘍を取り除き、人工関節を入れる手術を受けました。術後リハビリをして、歩行もできるようになったのですが、11月に受けたCT画像検査で肺転移が判明しました。転移したがんの大きさは3㎜程度で、主治医は「しばらく様子を見ましょう」とのこと。私の場合、今後の治療法はどのようになるのでしょうか。
(65歳 女性 神奈川県)
A 転移かどうか確実な判断が必要 確定したら手術を
ご相談の方は、3㎜の転移巣が判明したとのことですが、非常に小さい病変ですので、確実な転移かどうかというのが問題になります。
主治医が「様子を見ましょう」と言ったのは、1~2カ月後に再度CT検査を行い、病変が前回よりも大きくなっているかどうかをチェックする必要があると判断したからでしょう。
再検査の結果、明らかに再発だとわかったら、単発の場合、肺転移巣の切除手術をするのが一般的です。術後については、骨肉腫であれば化学療法を行うことが考慮されますが、骨悪性線維性組織球腫の場合は抗がん薬の感受性が骨肉腫ほど高くないので、ご本人の全身状態(PS)やご希望をよく考慮した上で、化学療法の実施を決めます。薬剤としては*アドリアシンと*イホマイドまたは*シスプラチンなどが用いられます。化学療法の得失を主治医とよく相談して、化学療法を受けられるかどうかを決められると良いと思います。
この病気の肺転移の場合、単発で、原発巣の切除から1年以上過ぎていれば予後が良いと言われています。ご相談の方は術後8カ月の再発ですが、単発ですし、転移巣を完全に取り除くことができれば、根治の可能性は十分にあると思われます。きちんと手順を踏んで診断をして、転移であることがはっきりしたら、元気を出して手術を検討されるのが良いと思います。
*アドリアシン=一般名ドキソルビシン *イホマイド=一般名イホスファミド *シスプラチン=商品名ブリプラチン/ランダ