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平滑筋肉腫との診断。術前化学療法をせずに手術だけではだめか

回答者:川井 章
国立がん研究センター中央病院 骨軟部腫瘍科医長
(2011年9月)











軟部肉腫の1種、後腹膜平滑筋肉腫と診断され、手術前に化学療法を行うと主治医に言われました。抗がん剤に対して何となく恐怖感があります。化学療法をせずに、手術だけするわけにはいきませんか。

(鳥取県 女性 45歳)

A 平滑筋肉腫は手術が第1選択。取り切れない場合に補助療法

平滑筋肉腫の治療として1番大事なのは、手術で腫瘍を取り切る、いわゆる広範切除という方法です。腫瘍の悪性度が高いなど転移や再発をきたしやすい状況だと考えられたときには抗がん剤による化学療法や放射線照射などの補助療法を併用する場合もあります。また、腫瘍がすでに転移していて、手術だけでは根治を望めない場合にも化学療法を行うことがあります。

ご相談者の場合は、手術だけでなく、術前化学療法を勧められておられますから、おそらく腫瘍が大きいとか、悪性度が高いなどの状況であることが予想されます。

軟部肉腫の悪性度に関しては、現在、低悪性度から高悪性度まで3段階に分類する方法が最もよく用いられています。このうち、高悪性度の患者さんに対しては、化学療法を行うことが推奨されています。しかし、低・中悪性度の患者さんには、期待される効果と副作用を考え合わせると、化学療法はあまり勧められません。

もし万が一、腫瘍の悪性度がそれほど高くなく、手術のみで十分取り切れる状況なら、必ずしも化学療法を受ける必要はありません。

繰り返しになりますが、遠隔転移のない軟部肉腫の治療は、基本的には手術により原発巣を完全に切除すること、それが諸々の理由で困難な場合に化学療法や放射線照射を考慮する方針がよいと考えられます。今回、術前化学療法を行うほうが望ましい理由や、その予想される効果、副作用などについて、主治医の先生とよく相談されることで、十分に納得して治療を選択されることをお勧めします。そうすることで、治療に対する恐怖心や不安もずいぶん軽減されるのではないかと思います。

遠隔転移=最初に発生した(原発)腫瘍から離れている臓器やリンパ節に飛び火して成長したがん

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