がんサポート8月 抗がん薬特集 掲載記事更新のお知らせ

●抗がん薬特集 ※ログインしてご覧ください

 次々に開発される免疫チェックポイント阻害薬とその併用療法

 治療選択の拡がりが期待される 肝細胞がんの1次治療に、約9年ぶりに新薬登場!

 血管新生阻害薬アバスチンの位置づけと広がる可能性 アバスチンと免疫チェックポイント阻害薬の併用が未来を拓く

 バイオシミラーとジェネリック医薬品との違い バイオ後続品 “バイオシミラー” の開発状況と今後の展望

●個別化医療 ※ログインしてご覧ください

 米国臨床腫瘍学会 2018年年次集会(ASCO2018)レポート

●がんと生きる ※ログインしてご覧ください

 「必ずまた、戻ってくるから」 第5回 橘 ハコ さん(フリーランスパブリシスト)

 いつも一緒が当たり前だった人が、がんに奪われていったとき 小泉美紀さん(小児看護専門看護師)

●マインドフルネス・ヨガ:それでいいのだ!

 第3回 小さな痛みとのつき合い <体側を伸ばすポーズ>

●黒田尚子のがんとライフプラン

 知っているようで知らない「先進医療」と「先進医療特約」のこと

●連載

 腫瘍内科医のひとりごと 92 「がん」という言葉

 がん哲学「樋野に訊け」 25 今月の言葉「流れに身を任せ、今日を精一杯生きていけばいい」

 ドイツがん患者REPORT 46 「予定は未定」

 編集部の本棚 2018/3Q ちびといつまでも ママの乳がんとパパのお弁当と桜の季節。

 

●8月 編集後記

■「肺がん市民フォーラム2018」が開催された7月14日の土曜日は、例年ならまだ梅雨の最中だ。しかし、今年は早くも6月に梅雨が開けてしまい、暑さを心配することに。当日の予報は最高気温34度。参加者は高齢の方も多く、なおかつ1人で参加される方も多かったが、無事盛況裏に終了してほっとした。昨年と同じ会場だったが、椅子の前にテーブルが引き出せるなどリニューアルされていて、メモを取ったりするには使いやすかったと思う。ただ、会場内の冷房が効きすぎてしまい、アンケートにもスーツの方に合わせてあり、もっと薄着の人を基準にすべきなどとのご指摘をいただいた。講演はソフトな久田さんの司会でパネルディスカッションも好評をいただいたが、このフォーラムが皆さんの肺がん闘病の参考になったのなら幸いである。(松尾)

■文科省の局長が支援事業で便宜を図った見返りに息子を私大医学部に合格させてもらったことで、局長以下、私大理事長、学長らが起訴された。久しぶりに報道された私大医学部の裏口入学の話である。随分以前は私大医学部裏口入学の話は週刊誌などがかなりスペースを割いて報道していたものだが最近はそんな報道はトンと見かけなくなっていた。見かけなくなっていたから裏口入学はなくなっていたのではなく、「やっぱりそうだったのか」というのが素直な感想だ。患者が医者不信に陥る一因にこんなアンフェアなことが医療という命を預かる現場で今でもまかり通っていることに起因しているのだということを医療教育に携わる人々は真摯に受け止めるべきではないだろうか。(髙橋)

■先日、分子標的薬リムパーザ(一般名オラパリブ)の乳がんへの適応症追加についてのプレスセミナーがあった。今回の適応追加は、「化学療法歴のあるBRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳がん』の追加である。そのセミナーでとくに印象に残ったのは、講演終了後の質疑応答である。その一部を紹介する。

Q:遺伝子検査を実施するタイミングは?
A:トリプルネガティブの乳がん患者さんであれば、再発した時点で検査を薦める。早めにリムパーザを使用したほうが生存期間の延長も図れるデータがある。ホルモンレセプター陽性の再発患者さんでは、ホルモン療法中に、将来がんが悪化してきたときのために検査を薦める。

Q:遺伝子検査はがん細胞で行うのか? それとも血液で行うのか?
A:今回のBRCA遺伝子検査の場合は、血液で検査を行う。がん細胞の検査では後天的にがん細胞の中にBRCA遺伝子が発生するケースもある。ミリアド・ジェネティック・ラボラトリー・インクが開発したBRCA Analysis診断システムの血液検査でBRCA遺伝子に変異を認められた症例に限り、リムパーザの使用は可となる。

Q:遺伝子検査の場合、結果によっては、家族、親族まで関係してくるナーバスな問題もあると思うが、患者さん含めての遺伝子検査のカウンセリングはどのようにしていくのか?
A:日本乳癌学会では、主治医が遺伝子検査のオーダーを出す前に遺伝子カウンセラーの説明を必須としていない。あくまで主治医が遺伝子検査の説明をして検査オーダーを出すことにしている。検査の結果、BRCA変異ありの場合は、本人および血縁者に対してカウンセリングすることを必須としている。もし、主治医の施設に遺伝子カウンセラーがいない場合は、遺伝子カウンセラーがいる施設との連携を事前に図っていくことが前提である。

がんの個別化治療が進展する上で、遺伝子検査における医療側と患者側の相互の納得が、ますます重要になってくると考えられる。私見ではあるが、検査結果が出る前に遺伝子検査のメリット、デメリットの要旨を伝えたほうがよいような気がした。(西村)

 

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