間質性肺炎に2回なり放射線治療は難しいと言われましたが
主人の肺に複数の小さながんがあります。抗がん薬の副作用で間質性肺炎に2回ほどなりました。主治医からこういう場合、放射線は難しいと言われてしまいましたが、そうなのでしょうか。複数あるがんの中で、少し大きくなってきているがんを手術で取るか主治医も迷っています。新しい抗がん薬を試して様子をみましょうか、と言われていますが、そのうちもっと大きくなって手術できなくなるのでは、と心配です。ご意見をお聞かせください。
(60歳 女性 神奈川県)
A 間質性肺炎が起きにくい抗がん薬を選ぶべき
日本医科大学大学院医学研究科
呼吸器内科学分野教授の久保田さん
呼吸器内科学分野教授の久保田さん
放射線治療は、根治を目的とする場合と、症状を緩和する場合に分けられます。複数の腫瘍がある場合は根治を目的とした放射線治療の対象にはなりません。手術は一般的に根治を目的として行います。同様に複数の腫瘍がある場合は、根治を目的とした手術の適応にはなりません。
この患者さんは、2回も間質性肺炎になられているので、今後は間質性肺炎が起きにくい抗がん薬を選ぶ必要があります。
いままでどんな抗がん薬が使われたかによりますが、非小細胞肺がんであれば、パラプラチン(一般名カルボプラチン)+アブラキサン(一般名パクリタキセル:アルブミン懸濁型)の併用療法が考えられます。
様子をみているうちに大きくなって手術ができなくなるとのご心配ですが、手術すること自体に意味がないので、そのご心配は杞憂なのです。