ALK融合遺伝子陽性と判明して治療が変わることが心配

回答者●久保田 馨
日本医科大学大学院医学研究科呼吸器内科学分野教授
発行:2021年3月
更新:2021年3月

  

4年前、非小細胞肺がんステージⅣと診断され、遺伝子変異がないと思って抗がん薬治療を続けていました。昨年コンパニオン診断オンコマイン検査を受けると、ALK融合遺伝子陽性と判明しました。治療がガラッと変わることになりとても不安です。また、経済的にも心配になってきました。さらに新型コロナの感染状況がとても気になっています。肺がん患者がとくに注意する点があればお教えください。

(55歳 女性 東京都)

ALK融合遺伝子陽性と判明したことはよかった

日本医科大学大学院医学研究科
呼吸器内科学分野教授の久保田さん

肺がん治療を専門に行っている立場でいえば、ALK融合遺伝子陽性と判明したことは大変よかったと思います。

おそらく分子標的薬のアレセンサ(一般名アレクチニブ)を使用することになると思いますが、この分子標的薬は一般的な抗がん薬に比較して副作用は軽く、効果は大変高いのです。確かに高価な薬ですが、保険が適用されます。また、高額療養費制度もあり、それを活用されれば一定の金額以上の支払いは必要がなく、経済的にはそれほど負担が増えるわけではないと思います。

また、このコロナ禍ではアレセンサのほうが、一般的な抗がん薬よりも治療がしやすいのです。コロナ感染対策は、3密を避け、外出時はマスクをし、手洗い、さらに口腔ケアを徹底してください。ご家族にも適切な対策をお願いします。

同じカテゴリーの最新記事

  • 会員ログイン
  • 新規会員登録

全記事サーチ   

キーワード
記事カテゴリー
  

注目の記事一覧

がんサポート4月 掲載記事更新!