排尿時に痛み、小線源療法の影響か
2014年5月にPSA値が5.3となり針生検の結果、前立腺がんと診断されました。小線源療法を行ないました。その後、PSA値は低下して良好に経過していました。ところが、2019年2月頃から頻尿と排尿時の痛みが酷くなりました。抗菌薬や鎮痛剤を処方してもらいましたが、一向に痛みは軽減しません。尿はきれいで、赤血球も白血球もありません。この痛みは小線源療法の影響でしょうか。
(70歳 男性 栃木県)
A 直接的な影響の可能性は低い
がん・感染症センター都立駒込病院
腎泌尿器外科部長の古賀文隆さん
腎泌尿器外科部長の古賀文隆さん
小線源療法から5年弱を経ての症状出現であることから、小線源療法の直接的影響である可能性は低いように思います。尿に炎症所見がないことから、いわゆる急性尿路感染ではなさそうです。
さまざまな検査結果で異常が見つからない場合、相談者の症状は、慢性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群として治療していくことになるかと思います。
この症候群の原因は多様であると考えられており、多くのケースで原因を特定できません。抗菌薬、消炎剤、漢方薬や鎮痛剤などを症状に合わせて併用することで改善するケースもあり、症状に波があるのも特徴です。骨盤の筋肉をリラックスさせる薬や抗不安薬が効果的な場合もあります。
前立腺がんの再発を含め検査結果に異常がないのであれば、命に別状はありませんが、症状によってQOL(生活の質)が大きく損なわれてしまうので、主治医と相談しながら対症治療を続けていくことが重要と思います。