つらいホルモン療法を続けなければいけないか

回答者●古賀文隆
がん・感染症センター都立駒込病院腎泌尿器外科部長
発行:2023年2月
更新:2023年2月

  

2021年5月PSA値が8.15の数値を示し、生検の結果、前立腺がんと判明して全摘手術を受けました。病理標本では、「グリソンスコア」が中リスクの7でしたが、精嚢に浸潤が見つかりステージT3bとの診断となりました。術後、PSA値は0.01まで下がりましたが、2022年11月にかけてPSA値が徐々に上昇し、0.038でホルモン療法を開始したところホットフラッシュや全身倦怠感、吐き気、頭痛、胸やけなどのつらい副作用が表れました。主治医から手術時に採取した病理標本で断端陽性という結果が出たため再発リスクが高まり、PSA値が0.2を上回ってからでは遅いとの説明を受けましたが、このつらいホルモン療法を続けなければいけないのでしょうか。

(70歳 男性 北海道)

術後補助放射線治療の選択肢も

がん・感染症センター都立駒込病院
腎泌尿器外科部長の古賀文隆さん

全摘病理標本で精嚢浸潤があり切除断端陽性の場合、再発リスクは高い状況にあります。相談者のような再発高リスクの局所進行がん(精嚢浸潤あり)の場合、再発を待たずに術後補助放射線治療を行う施設がある一方、PSA再発を認めてから救済放射線治療を行う施設もあります。当院の場合、後者の方針で治療を行っています。

術後PSAが0.2を越えて上昇を続ける場合、PSA再発と診断されます。精嚢浸潤があり切除断端陽性の場合、術後PSA再発に対してホルモン療法を併用した救済放射線治療が有効とされています。

相談者の場合、PSAが0.038とまだ再発していない時点でホルモン療法が行われているので、術後補助療法としてホルモン療法が開始されたものと考えられます。術後補助療法としてホルモン療法を単独での行うことは一般的ではないと思われ、副作用がつらい状況であれば主治医と相談してホルモン療法を中止するのが良いかもしれません。

一方で、ホルモン療法には放射線治療効果を高める効果があるため、まだホルモン療法の効果が残っている間に術後補助放射線治療を行うという選択肢もあると思います。術後補助放射線治療についても主治医と相談されることをお奨めします。

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