スーテントで化学療法中。次の選択肢は?

回答者:井上 克己
昭和大学横浜市北部病院 泌尿器科准教授
発行:2012年11月
更新:2014年1月

  

検査で肺に転移巣が見つかり、4期の淡明細胞がんであることがわかりました。現在、スーテントを使っていますが、最近薬が効かなくなってきました。 この薬が効かなくなった場合、どのような治療方法が残されているのでしょうか?

(東京都 男性 61歳)

A トーリセルやアフィニトールを選択

4期の淡明細胞がんということですので、治療は分子標的薬を使った化学療法が中心となります。現在、腎がんの治療では、チロシンキナーゼ阻害剤のスーテントとネクサバール、mTOR阻害剤のトーリセルとアフィニトールなどの分子標的薬が治療に使われています。 淡明がんの治療では、ご相談者のように最初にチロシンキナーゼ阻害剤のスーテントを使うことが勧められています。こういう方の次の治療で使う薬としては、スーテントとは違う働きでがんの増殖を抑え込む、mTOR阻害剤のトーリセルやアフィニトールを使用するのが一般的です。 ただし、薬の効き方や副作用の出方には個人差がありますので、ケースバイケースでかかりつけの主治医と話し合って薬剤を決めていくことが大切です。また、最近では新たな薬剤としてインライタという薬も使えるようになり、治療選択は豊富ですので、諦めず、自分にあった薬剤を見つけ、治療を継続していきましょう。

スーテント=一般名ス二チニブ ネクサバール=一般名ソラフェ二ブ トーリセル=一般名テムシロリムス
アフィニトール=一般名エベロリムス インライタ=一般名アキシチニブ

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