内分泌療法と放射線療法の併用療法の治療成績はどの程度か

回答者:赤倉 功一郎
東京厚生年金病院 泌尿器科部長
発行:2009年5月
更新:2013年12月

  

最近、いくつかの検査を受けた結果、前立腺がんとわかりました。病期はC(前立腺の外側にまで広がった段階)で、手術は難しいかもしれないとのことです。内分泌療法(ホルモン療法)をして腫瘍を小さくしてから、放射線療法を行う方法もあると聞いています。内分泌療法と放射線療法の併用療法の治療成績は、どの程度なのでしょうか。この併用療法のほかに、どんな治療法があるのでしょうか。アドバイスしてください。

(福島県 男性 68歳)

A 併用療法は放射線療法だけよりも成績はよい

病期Cでは、手術も1つの選択肢ですが、チャレンジングな手術になります。

一般的には、ホルモン療法で腫瘍を小さくしてから放射線療法を行う併用療法が第1選択だと思います。ホルモン療法と放射線療法の併用療法は、放射線療法だけの場合よりも、治療成績は確実によくなります。

その治療成績の違いがどの程度かは、同じ病期CでもPSA値やグリソンスコアによってかなり異なります。PSA値10未満でグリソンスコア 6なら5年の再発率は20パーセントほどで、PSA値100でグリソンスコア 8~10なら再発率70~80パーセント以上とかなり幅があります。

ホルモン療法と放射線療法の併用療法では、ホルモン療法はあくまで補助療法で、放射線療法の内容がポイントです。相談者の場合、一般的には密封小線源放射線治療は適応となりません。(1)3次元原体照射という外照射(2)強度変調放射線治療(IMRT)(3)陽子線治療や重粒子線治療―などがあります。治療成績は、(1)よりも(2)(3)のほうがよいようです。ただし、(3)は保険適用されていません。自己負担額は300万円ほどです。

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