6年前、慢性糸球体腎炎に。今後がんになる可能性は?
6年前、慢性糸球体腎炎(IgA腎症)と診断されました。尿タンパク、尿潜血があり、腎性高血圧もあります。降圧剤を服用して血圧をコントロールして、透析治療を回避できるように努力していますが、腎臓がんになるのではないかと不安です。慢性腎炎は将来、腎臓がんになる可能性はあるでしょうか。あるとすれば、事前にどんな心がけや取り組みが必要なのでしょうか。
(福島県 男性 59歳)
A 透析治療を受けるようになると、がんの発生率は高まる
慢性糸球体腎炎が、腎臓がんに直接関係するとか、結びつくという話はあまり聞いたことがありません。ほとんどないと思います。ただし、腎機能が悪化して腎不全の状態になって、透析治療を受けるようになった場合には腎臓がんになる可能性もあります。
透析治療を長期間続けていると、腎臓に袋状の嚢胞がたくさん出てくることがあります。これは後天性嚢胞性腎疾患と呼ばれており、この疾患になると腎臓がんが発生しやすくなります。
腎臓がんになったら、通常の手術治療が必要です。透析治療中に嚢胞性腎疾患になった場合、腎臓がんになる頻度は、普通の人と比べて、32倍というデータがあります。その頻度は透析治療の期間によって異なるようですが、かなりの確率で腎臓がんになります。ですから、あなたの場合は、現状では腎臓がんになる可能性は通常の人と変わりありません。
しかし、透析治療を受けるようになった場合には腎臓がんになりやすくなりますので、透析治療を必要としないように心がけてください。