BCG療法の治療効果と、再発後の治療法を知りたい
半年ほど前に、膀胱がんで経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-BT)を受けました。表在性膀胱がんとのことで、手術後は再発を防ぐためにBCG療法を受けています。このBCG療法の治療効果はどの程度なのでしょうか。また、BCG療法後に再発した場合、その次の治療はあるのでしょうか。
(東京都 男性 62歳)
A 表在性がんなら再度、膀胱温存、BCG療法を行う
再発を防ぐBCG療法の有効率は、50パーセントほどです。
BCG療法後に再発したときの治療法ですが、表在性膀胱がんなら、膀胱温存療法をします。
内視鏡的切除を行い、病理所見によりもう1度、BCG療法を行うか、抗がん剤注入療法を行うか、いずれかの膀胱温存療法を選ぶのがよいと思います。放射線療法の有効性は証明されていません。
BCG療法の2回目の有効率は30パーセントほどで、初回よりも低くなります。また、BCG療法の副作用は、初回よりも2回目のほうが強くなります。
BCG療法には、頻尿・排尿痛、血尿などの膀胱刺激症状、関節痛、腰痛、発熱、発疹などの副作用があります。また、強いアレルギー反応や、炎症で膀胱が小さくなる萎縮膀胱などの強い症状も起こります。1回目のBCG療法で、こうした副作用が少なかったとしたら、もう1回、BCG療法を行ったほうがよいでしょう。
抗がん剤注入療法とは、マイトマイシン(一般名マイトマイシンC)もしくはアドリアシン(一般名ドキソルビシン)を用いた注入療法です。多くは単剤で行いますが、併用することもあります。投与期間はBCG療法よりも長くなります。有効性はがんの病理所見によって幅がありますが、30パーセントほどです。BCG療法よりも有効性は低いようです。
BCG療法、抗がん剤療法ともに有効でないときは、もう1度、内視鏡手術で切除することもありますが、全摘手術を考えます。いずれにしても、治療が手遅れにならないように取り組むことが大切です。