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赤身の肉などを避け、野菜中心の食事にすべきか

回答者:坪井 正博
神奈川県立がんセンター 呼吸器外科
発行:2010年7月
更新:2013年12月

  

肺がん患者です。がんがわかったときにはすでに4期で、頭部にも転移していました。頭部はサイバーナイフの治療を受け、全身治療としてはイレッサ(一般名ゲフィチニブ)を服用し、現在は幸い小康状態です。質問は食べるものなどについてです。がん患者は塩分、レッドミート(牛、羊などの肉)、酒などをとるのはやめて、野菜を中心に食べるべきだとする本が出ていますが、そのとおりにすべきでしょうか。

(秋田県 女性 74歳)

A グレープフルーツや西洋オトギリソウに注意

現在もイレッサを服用していらっしゃるのであれば、イレッサを飲む(飲んだ)前後にグレープフルーツを食べたりジュースで飲んだりしないようにしてください。グレープフルーツの成分が体の中にあるCYP3A4という酵素の働きを邪魔して、薬の血液中の濃度を高める可能性があるからです。イレッサだけでなく、多くの抗がん剤、分子標的薬で同様のことが指摘されています。また、西洋オトギリソウを含むサプリメントでは、イレッサの効果が弱まる可能性があると言われています。

ある疫学調査に脂肪の多い食べ物をたくさんとっている人に肺がんが多いというデータがあるので、高脂肪食やコレステロールの多い食事は食べすぎないほうがよいといえるかもしれません。基本的には、栄養的に偏りのないバランスのとれた食事をするように心がけるとよいと思います。お酒がお好きであれば、適量をときどき飲まれるのは構わないでしょう。

食欲は人間の3大欲求の1つです。暴飲暴食に走るのは言語道断ですが、あまり神経質になって食事を楽しめなくなっては欲求を満たすことはできません。バランスを考えつつ、楽しく食べるのが1番よいことです。

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