腹膜播種にタキソールの腹腔内投与は効果があるか
父(72際)のことでご相談します。父は去年の11月に胃がんと診断されました。ステージ(病期)4で、腹膜播種を起こしていて、手術による切除は難しいと言われました。主治医からはTS-1、あるいはTS-1とシスプラチン(商品名ブリプラチンまたはランダ)の治療を行い、この治療の効果がなくなったら、2次治療としてタキソール(一般名パクリタキセル)の点滴を行うのがよいだろうと説明されました。ただ、こうした治療を行っても、今までの臨床試験結果からは、生存期間は半年から1年程度であるとも言われています。一方、インターネットなどで調べたところ、胃がんの腹膜播種に対して、タキソールの腹腔内投与という治療法で効果が出始めているなどと書かれていました。私の父の腹膜播種に、タキソールを腹腔内投与するという方法はすすめられるでしょうか。
(大阪府 女性 43歳)
A 高度医療で審査中。試験的な治療法で現時点で評価は難しい
この方に対する治療法は、主治医の意見に賛成します。つまりTS-1、あるいはTS-1とシスプラチンの治療を受け、この治療の効果がなくなったら、2次治療としてタキソールの点滴を受けるのがよいと思います。
胃がんの腹膜播種に対するタキソールの腹腔内投与は現在、高度医療*として審査中で、一部、認められつつある段階です。今後、実施されるようになることを期待していますが、現時点では試験的な治療法であるため、評価することはできません。
*高度医療=承認が得られていない医薬品・医療機器の使用を伴う先進的な医療技術のこと