胃の全摘手術から2年が経過。逆流の症状が治まらない
2年前に胃の全摘手術を受けました。退院後、食べ物や水の通りが悪くなり、入院して治療をすることを何回かくり返しました。現在も食べ物や水の通りはあまりよくありません。また、仰向けや横向きに寝ると逆流を起こし、普通の姿勢でも胸焼けがします。手術後、2年も経っているのによくなりません。主治医からは「少量ずつ、時間をかけて」など、食事のアドバイスを受けていますが、ほかにこの症状を軽減させる方法はないでしょうか。
(岡山県 女性 59歳)
A 就寝前には脂っこい物や乳製品は控えるように。飲酒にも注意
胃の手術をすると、逆流を起こすことがあります。何が逆流するかは、胃をどの程度、切除したかによって異なります。
手術後も胃がまだ残っている場合は、胃液などが逆流してきます。この場合はたいがい、酸っぱい感じがします。
また胃をすべて摘出した場合は胃液はないため、胆汁や膵液が逆流してきます。この場合は、苦みを感じることが多いのが特徴です。
ご相談者は後者、つまり胃を全摘出しているので、おそらく胆汁と膵液が逆流していると思います。
胆汁や膵液の逆流は、就寝中に起こりがちです。
起きているときなどは小腸が通常の活動をしており、消化液は肛門のほうにだけ向かいます。ところが眠ると、小腸の動きが弱くなって、活動が鈍くなります。小腸の活動が鈍くなったところに消化液が分泌されると、その消化液は肛門と口の両方に向かいます。口のほうへ向かった消化液が「逆流」です。
対策は、少量ずつ時間をかけて食べることが1つあります。
ほかには、就寝前に乳製品や脂っこい物を食べるのは控えたほうがよいでしょう。それらは胆汁の分泌を増やす作用があるためです。また、飲酒をすると、逆流を起こしやすい人もいますから、飲み過ぎなどには注意してください。
高齢者の場合などは、就寝時に逆流した消化液が鼻から口、さらに口から肺に入って、肺炎を起こすこともあります。危険な状態になることもあるため、とくに夕食のとり方には十分、注意してください。