1期の肝門部胆管がん。再発予防のためのジェムザールは必要か
肝門部胆管がんで、肝臓と上部胆管、中部胆管を切除しました。リンパ節や周辺臓器には転移はなく、病期1期でした。再発および転移予防のため、ジェムザールの注射を1年間ほど受ける人もいると、主治医から説明を受けました。目に見えているがんが取り切れている状態でもジェムザールを受けたほうがよいのでしょうか。
(北海道 女性 53歳)
A 副作用の問題もある。積極的に受けるのがよいとは今のところいえない
一般的に、肝門部胆管がんの手術後の再発率は高いといわれており、手術で目に見えているがんが取り切れたとしても、目に見えないがんが取り切れておらず、後で再発してしまう場合があります。
では、手術後にジェムザール(一般名ゲムシタビン)などを投与すればよいかといえば、現時点ではそうとはいえません。何らかの薬剤を投与することで再発を予防できるという十分なデータは、今のところないためです。
抗がん剤には副作用の問題もあるため、はっきりとしたことがわかっていない時点で、積極的にジェムザールなどの薬剤を投与すべきだとはいえないのです。ただし、将来的に研究が進むと、ジェムザールもしくはその他の薬剤を手術後に再発予防として投与したほうがよいというデータが出てくる可能性はあります。