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野崎洋光と牛込紀子の「和のテイストで、免疫力アップ・レシピ」

冬にエネルギーを蓄えた季節の食材を味わう

撮影●大関清貴
発行:2009年2月
更新:2019年11月

  

冬の間、草木が芽吹くためのエネルギーを蓄えているように、如月(2月)という季節は、
体の中に力を蓄えてくれる食べ物がたくさんあります。
とくに季節の食材である牡蠣は、海のミルクと言われているほど栄養価が高いのです。
冬にエネルギーを蓄えた、力強い季節の食材を味わいましょう。


 牡蠣のすり流し

材料(2人分)
・かぶ……2個
・生姜……適量
A
・牡蠣(生食用むき身)……50g
・水……300g
・昆布……5g
・薄口醤油……小さじ1と1/2
・生のり(乾燥のり)……大さじ1(1枚)
・水溶き片栗粉……適量

*その他 大根おろし、米のとぎ汁、昆布だし(水に昆布を入れて煮出し、濾して冷ましたもの)

作り方
① かぶは葉を少し残して切り落とし、皮を厚めにむき、半分に切る。米のとぎ汁で串が通るくらいの柔らかさになるまで茹でて、水にさらす。鍋に昆布だしと茹でたかぶを合わせて火にかけ、軽く煮含める。
② 生姜は皮をむき、繊維に直角におろし器をあてながらすりおろす。
③ 牡蠣は大根おろしとともにボールに入れ、かき混ぜて汚れをとり、水で洗って水気を切る。
④ ③の牡蠣をフードプロセッサーにかけて細かく砕く。
⑤ 鍋に④、分量の水、昆布を合わせて、かき混ぜながら火にかける。煮立ったら昆布をとり出し、薄口醤油で味を整え、生のりを加える。煮立てて、かき混ぜながら水溶き片栗粉を加えて、軽くとろみをつける。
⑥ お椀に、温めた①のかぶを盛る。熱い⑤の汁を張り、②のおろし生姜を添える。

ポイント
生のりがない場合は、普通ののりでも結構です。


 煎り大豆御飯

材料(2人分)
・米……2合
・大豆……60g
・わけぎ……2本
・ベーコン……2枚(15gぐらい)
A
・水……300cc
・薄口醤油……36cc
・酒……36cc

作り方
① 米はといで15分浸水後、ザルに15分とり、水気を切っておく。
② 大豆はフライパンで色の付くぐらいまで乾煎りする。
③ ベーコンは2センチぐらいに切っておく。
④ わけぎは小口に切る。
⑤ 米とAと②の大豆を炊飯器に入れ、高速炊きで御飯を炊く。③のベーコンを炊き上がる直前に加える。炊き上がったら④のわけぎを加え、蒸らす。

ポイント
写真は土鍋ですが、レシピは炊飯器で炊く場合です。


じゃがいもと鯖のトマト煮

材料(2人分)
・じゃがいも……170g
・鯖……1/2本(40g)
・しいたけ……2個
・きぬさや……4枚
・塩……適量(鯖の切り身に振る塩)
A
・トマトジュース……150cc
・水……150cc
・薄口醤油……大さじ1

作り方
① 鯖の切り身は塩をして、20分ぐらいおいてから洗って、水気を拭き、焼く。
② じゃがいもは皮をむき、一口大に切って、さっと茹でておく。
③ しいたけは軸をとる。
④ きぬさやは色よく茹でておく。
⑤ 鍋にAと①~③の材料を合わせて煮る。火が通ったら器に盛り、きぬさやを添える。

ポイント
色合いも鮮やかでさっぱりといただける一品です。


 「鬼は外、福は内……」
節分の豆まきの元気な声が聞こえる如月。「如月」の語源は、草木が芽吹く準備を始めることから、「草木張り月」が転じたもの、と言われます(春に草木が更生することでもあります)。その由来の通り、この季節には、体の中に力を蓄える食べ物がたくさんあります。
大豆は大いなる豆。良質なたんぱく質を含み、抗酸化作用もあります。煎ってご飯に炊き込みました。香ばしい香りも一緒にお召し上がり下さい。
牡蠣にも、良質なたんぱく質はもちろん、ミネラルもまんべんなく含まれ、とくに亜鉛は他の貝の10倍ほどにもなります。「細胞の新生が行われているところには亜鉛あり」と言われ、皮膚や髪の発育や味覚を正常にしてくれます。
また、最近注目のセレン(ミネラルの1つ)も含まれています。セレンには強力な抗酸化パワーがあり、老化防止や免疫力を高めるのでインフルエンザの予防にも効果があります。ビタミンCのたっぷり含まれているかぶと一緒に滋味深い味を楽しみましょう。
鯖は青魚の代表選手です。鯖に含まれるDHAやDEP(エイコサペンタエン酸)はコレステロールや中性脂肪値を下げ、血液をサラサラにしてくれます。熱に強いじゃがいものビタミンCとトマトジュースのリコペンと一緒に摂ることで効果を発揮します。
冬の間、草木が芽吹くエネルギーを蓄えるように、私たちも冬の力強い食材をいただいて、体が本来持っている元気な力を発揮できるようにいたしましょう。


野崎洋光 のざき ひろみつ
1953年福島県生まれ。「東京グランドホテル」「八芳園」を経て、ふぐの名店「とく山」の料理長を務め、1989年に支店「分とく山」を開店。伝統的な和食の技法をふまえつつ、シンプルで美味しいもの、体にいいものを主眼に独自の料理を展開。アテネ五輪日本代表野球チームの料理を担当、話題を呼ぶ

牛込紀子 うしごめ のりこ
東京都出身。栄養士。食品メーカーでメニュー提案などを担当、現在に至る。「食べものが身体をつくる」を基本に素材の持ち味を生かした、身体にやさしくておいしいメニューづくりに奮闘中。「野菜をこよなく愛する」ことと「食べものへの好奇心を失わないこと」が信条。子どものころから根っからの野菜好き

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