野崎洋光と牛込紀子の「和のテイストで、免疫力アップ・レシピ」
個性豊かな、栄養たっぷりの春の食材で
知る人ぞ知る、ミシュラン星に輝く和の名店「分とく山」の料理人、
野崎洋光さんが、栄養士の牛込紀子さんとコラボで、
がん患者さんのために、家庭でも簡単にできる、シンプルで美味しく、
そしてがんによい料理を創ります。
伝統的な和食の技法をふまえつつ、旬の素材を生かした1主1汁1菜の料理です。この和と旬を生かすことが人の免疫力を高め、
がんに負けない料理となるのです。
あなたも今日から試してみてはいかが?
鰆の淡煮
材料(2人分)
・鰆…… 2切れ
・しいたけ…… 4枚
・キャベツ…… 3枚
・ネギ…… 15センチぐらい
・薄口しょうゆ…… 26cc
・酒…… 大さじ1
・水…… 400ml
・昆布(5センチ角)…… 1枚
・木の芽…… 少々
作り方
① 鰆の切り身は塩をあて、さっと霜降りしておく。
② しいたけは熱湯でさっと霜降りしておく。
③ ネギは4センチの長さに切る。
④ キャベツは一口大に切っておく。
⑤ 鍋に昆布、水、薄口しょうゆ、酒、鰆、しいたけ、ネギを入れ、火が通ったら最後にキャベツを入れ、火を通して仕上げる。
⑥ 器に盛り付け、木の芽を最後にあしらう。
ピースご飯
材料(4~6人分)
・グリーンピース……100g
・米……2合
・水……300ml
・薄口しょうゆ……30ml
・酒……30ml
・ひじき……戻したもの20g
・濃い口しょうゆ……少々
・サラダ油……大さじ1
作り方
① ひじきはさっと洗って水に漬けて戻し、その後サラダ油で炒め、濃い口しょうゆでさっと下味を付けておく。
② グリーンピースはさやから出しておく。
③ 米は研いで15分浸水後、ザルに15分とり、水気を切っておく。水、薄口しょうゆ、酒、グリーンピースを入れて高速で炊く。
④ 炊きあがったら、仕上がりに①のひじきを入れて混ぜる。
新ごぼうとニラの卵とじ
材料(4~6人分)
・新ごぼう……小1本
・ニラ……1/4束
・卵……1個
・だし……350ml
・薄口しょうゆ……15ml
・酒……10ml
・片栗粉……大さじ1
・水……大さじ1
作り方
① 新ごぼうはささがきにしておき、水にさらしておく。
② ニラは洗って5センチぐらいの長さに切っておく。
③ 鍋にAを入れて火にかけ、新ごぼうを入れて煮る。ごぼうに火が通ったところで水溶き片栗粉を入れ、ゆるめにとろみをつける。
④ ②のニラを加え、溶き卵を回し入れる。卵に半熟に火が通ったところで器に盛る。
「春は苦味で食べろ、夏は酸味で食べろ、秋は辛味で食べろ、冬は油を通して食べろ」と日本の食には、先人達が季節を素にした食の知恵を伝えてくれています。
冬の寒さの間に強張ったカラダをほぐすために、春には繊維質の多い食物が多く出回り、食べることでカラダのケアが始まります。
人のカラダは食物から作られます。新鮮な食材を短時間に調理して食べるということが免疫力のある体を作り、元気のある体を作ります。
春といえば、芽吹きの季節です。この時期ならではの素材を生かした簡単なお料理を食べて楽しく、元気になりませんか?
今回はフレッシュな豆や香りの高い新ごぼう、鰆などを使ってみました。
とくに豆は渋みや苦味を含み、外部から身を守る防衛本能を持っています。低コレステロールで必須アミノ酸を含んでいます。春はフレッシュなグリンピースなどいろいろな種類の豆類が多く出回ります。豆ごはんにして彩りを楽しみましょう。
鰆は春の使者といわれている魚です。ヒスチジンやタウリンも多く慢性関節炎の緩和やストレスの軽減、血圧やコレステロールを低下させる、などの働きがあります。淡煮にしてみました。
ごぼうは平安時代から栽培されている歴史のある野菜です。繊維質も多く、噛むことで唾液分泌と脳も刺激されます。まさに、一石二鳥の食材です。
個性豊かな、栄養もたっぷりの春の食材で、心もカラダも芽吹きの季節を満喫しましょう!
野崎洋光 のざき ひろみつ
1953年福島県生まれ。「東京グランドホテル」「八芳園」を経て、ふぐの名店「とく山」の料理長を務め、1989年に支店「分とく山」を開店。伝統的な和食の技法をふまえつつ、シンプルで美味しいもの、体にいいものを主眼に独自の料理を展開。アテネ五輪日本代表野球チームの料理を担当、話題を呼ぶ
牛込紀子 うしごめ のりこ
東京都出身。栄養士。食品メーカーでメニュー提案などを担当、現在に至る。「食べものが身体をつくる」を基本に素材の持ち味を生かした、身体にやさしくておいしいメニューづくりに奮闘中。「野菜をこよなく愛する」ことと「食べものへの好奇心を失わないこと」が信条。子どものころから根っからの野菜好き
「分とく山」花板・野崎洋光さんの免疫を整えるレシピが1冊の本にまとまりました。
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