編集部の本棚 2022/2Q

文●「がんサポート」編集部
発行:2022年6月
更新:2022年6月

  

「死」と向き合うためのマインドフルネス実践
太田健次郎著 佼成出版社 定価1,800円(税別)

日本IBM定年後、花園大学大学院で仏教学を修了しているマインドフルネス総合研究所代表太田健次郎氏の本著は、タイトルに〝実践〟と謳っているように、マインドフルネスが何かよくわからないまま手にとっても、第1部「マインドフルネスって何だろう」で解説、第2部で「今日から始めるマインドフルネスSIMT実践編」と、理解しやすい構成になっている。

著者が提唱しているSIMT(Self Insight Meditation Therapy/Technology)とは、自身のうつ病を座禅で治した経験から開発したマインドフルネス心理療法で、〝自己洞察瞑想療法〟という。自己とは何か、どう生きたらいいかなどを、さまざまな哲学を基に理解して、それに沿った生き方を実践し、納得して病気と共に生きていく心理療法である。本著は、それをがん患者などに応用、発展させたもの。

実践編の第2部が本著の要諦だが、レッスン1の「呼吸法から始めよう」から、「最後まで生きる」の12までのレッスンに分けて詳しく伝えている。それぞれのレッスンの実践は、与えられた課題を行う。例えば、レッスン1の実践は、呼吸法の実行などである。哲学者西田幾多郎や禅を海外に広めた仏教学者の鈴木大拙、その他の哲学がベースにあり、示唆に富んでいる。

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