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野崎洋光と牛込紀子の「和のテイストで、免疫力アップ・レシピ」

小豆粥などの伝統食で、1年間の息災を願う

撮影●大関清貴
発行:2010年1月
更新:2019年12月

  

正月料理には健康や豊穣など、人々の様々な願いがこめられています。
東京・西麻布にある日本料理の名店「分とく山」の料理人、
野崎洋光さんが提案する1月のごはんは小豆粥です。
日本では毎年小正月に小豆粥を食べる風習がありますが、
これは1年間の邪気を払い、万病を除くと言い伝えられる平安時代からの習わしです。
小豆粥、なますなどの今月の料理は、
1年の始まりに相応しい希望と温かさに満ちた食です。


小豆粥(団子入り)

材料(2人分)
・米……1/2合
・水……1000cc
・小豆……50g
・塩……小さじ1
・ごま塩……少々
A
・上新粉……50g
・お湯……50cc

作り方
① 米は研いで15分浸水後、ザルに15分とり、水気を切っておく
② 小豆を鍋に入れ、水をはり、中火にかけ、沸騰したら水にとり、水気を切る。鍋に1000ccの水と一緒に火にかけ、沸騰したらコトコトと15分茹でる
③ ボールにAを合わせ、よくこねて練り、小丸の団子を作る
④ ②の小豆に、洗い米と団子を入れ、コトコトと20?30分かけ、お粥を作る。途中、塩を入れる
⑤ 椀に盛り、ごま塩をふる


 帆立さつま揚げ

材料(4人分)
・帆立貝柱……200g
・にんじん……20g
・しいたけ……3個
・ごぼう……30g
・卵……1個
・あさつき……適量
・おろし生姜……適量

A
・塩…小さじ1
・小麦粉……大さじ3
・砂糖……小さじ2
B
・しょう油……大さじ2
・出汁……大さじ2

作り方
① 帆立はすり鉢で潰してAを混ぜ、生地を作る
② にんじんは3センチの千切り、しいたけは軸をとり、小口に切り、ごぼうはスライスして全部合わせ、熱湯でさっと茹で、水にとり、すぐに水気を切っておく
③ ②の野菜と帆立の生地とを合わせ、クッキンングシートに薄く伸ばしておく
④ 4つに切り分けた生地をシートごと、170度に熱した油に入れていき、浮いてきたらシートをはがしとり、裏返して揚げ、きつね色がついたら引き上げ、油をふきとる
⑤ あさつきは小口に切る。Bのたれにおろし生姜とあさつきを入れ、つけていただく


 鯵なます

材料(2人分)
・鯵……2尾
・長芋……100g
・大根おろし……1/2カップ
・三つ葉……10本
辛子酢
・しょう油……大さじ2
・酢……大さじ2
・辛子……小さじ1/2

作り方
① 鯵は3枚におろし、1.5センチ角にする。長芋も1.5センチ角に切り合わせ、鯵と長芋に大さじ1弱の塩をまぶして20分ほどザルにのせておく
② ①を水洗いして水気を切り、酢に5分浸し、汁気を切る
③ 三つ葉はさっと茹で、3センチに切る。耐熱容器にしょう油と酢を入れ、電子レンジに20秒ほどかけ、冷ましてから、辛子を入れる
④ ボールに②と汁気を切った大根おろし、三つ葉を合わせ、辛子酢をかける


 1月のごはんは、小豆粥です。
小豆に豊富に含まれるビタミンB1は疲労回復に役立ち、糖質をエネルギーに変える大切な役割を担います。皮にはサポニンが多く含まれ、コレステロールや中性脂肪を低下させ、高血圧を防ぐ働きがあります。活性酸素を退治する成分ポリフェノールが赤ワインの2倍(国産)含まれます。小豆のポリフェノールの力は、非常に強いと言われています。ポリフェノールは、水に溶けやすいのでお粥にすると余すことなくいただけます。
さつま揚げは、家庭で簡単に美味しく作ることができます。
帆立は高たんぱく、低カロリーであるうえ、セレンというミネラルも含まれています。セレンは体の老化や動脈硬化を防ぎ、免疫力をアップします。白内障の予防や白髪、脱毛などのトラブルにも対処してくれます。ビタミンCやEと一緒に摂ると効果的です。油にはビタミンEが含まれるので、揚げることでより免疫力アップが期待できます。
鯵なますは、電子レンジで簡単にできる辛子酢でいただきます。鯵は、タウリンやEPA(エイコサペンタエン酸)を多く含みます。タウリンは、血圧やコレステロールを低下させ、疲労や視力を回復させてくれます。EPAは、不飽和脂肪酸の一種で、体内で作ることができません。血液の中性脂肪を減らすので血液をサラサラにし、もちろん免疫力アップの力強い味方です。大根おろしと一緒にさっぱりといただきます。
1月は12に分けた初めの月で希望にあふれる月。今年も力に満ちた食材をいただき、元気に過ごしていきましょう。


野崎洋光 のざき ひろみつ
1953年福島県生まれ。「東京グランドホテル」「八芳園」を経て、ふぐの名店「とく山」の料理長を務め、1989年に支店「分とく山」を開店。伝統的な和食の技法をふまえつつ、シンプルで美味しいもの、体に いいものを主眼に独自の料理を展開。アテネ五輪日本代表野球チームの料理を担当、話題を呼ぶ

牛込紀子 うしごめ のりこ
東京都出身。栄養士。食品メーカーでメニュー提案などを担当、現在に至る。「食べものが身体をつくる」を基本に素材の持ち味を生かした、身体にやさしくておいしいメニューづくりに奮闘中。「野菜をこよなく愛する」ことと「食べものへの好奇心を失わないこと」が信条。子どものころから根っからの野菜好き

「分とく山」花板・野崎洋光さんの免疫を整えるレシピが1冊の本にまとまりました。
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