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野崎洋光と牛込紀子の「和のテイストで、免疫力アップ・レシピ」

フレッシュな春野菜の和菓子で季節の力を感じる

撮影●大関清貴
発行:2010年3月
更新:2019年12月

  

春景色は、日毎変わります。
春に降る雨のことを「木の芽起こし」といいますが、3月(弥生)から多く降り続け、草を伸ばし、木の芽をふくらませ、花を咲かせる恵みの雨として知られています。
この雨が降り始める弥生は、春野菜がおいしい季節の到来です。
わらびやたけのこなど、生の春野菜を使ったデザートで、春という季節の力を感じることができます。
大地のエネルギーみなぎる春野菜を、和菓子で楽しみましょう。


たけのこ餅

材料(10個分)
・新たけのこ……150g
・白玉粉……150g
・砂糖……大さじ2
・水……40ml
・抹茶糖……適量(抹茶と砂糖1:2)
・揚げ油……適量
A
・大根汁……250cc
・水……250cc
・塩……小さじ

作り方
① たけのこは皮をむいて水で洗い、Aの汁に1時間ほどつけてあくを抜き、水気を拭いたらおろし金でおろしておく。
② ボールに白玉粉と砂糖、おろしたたけのこを入れる。ここに水を加え、手でよく混ぜる。
③ 生地をまとめて棒状にのばし、2センチ幅に切る。切ったものを丸めて、真ん中を指で押してくぼませる。
④ 170度ぐらいの油に入れ、浮いて薄く色づくまで揚げる。抹茶糖を添えて盛る。

ポイント
たけのこは、根元の部分を使うとよいでしょう。
たけのこの香りのする、優しい味わいの甘味です。


桜餅

材料(5個分)
・白玉粉……大さじ1/2
・水……100ml
・卵白……1/4個
・塩……少々
・小豆粒あん……100g
・塩漬けの桜の葉……5枚
A
・薄力粉……55g
・片栗粉……大さじ1/2
・砂糖……大さじ1/2

作り方
① ボールに卵白と塩少々を入れ、泡立器で軽く泡立てる。
② 白玉粉と水を混ぜ合わせ、目の細かいざるで濾してから、Aと合わせ、①の卵白を入れる。
③ フッ素樹脂加工のフライパンを中火にかけサラダ油を薄くひき、②の生地を小判型に薄く流して焼く。表面が乾いたら裏返して軽く焼き、ざるに乗せ冷ます。
④ 小豆粒あんを5等分にして丸め、焼いた薄皮で巻きさらに桜の葉で巻く。蒸し器で1分蒸し、葉の香りを移す。

ポイント
白玉粉は、だまにならないようにあらかじめ水で溶いて濾します。


わらび餅

3001材料(5個分)
・生わらび……60g
・重曹……適量
・塩……適量
・きな粉・砂糖……各適量
A
・大根のおろし汁……500ml
・水……500ml
・塩……小さじ2

B
・葛粉……50g
・水……350g
・砂糖……50g
黒蜜
・黒蜜……75g
・砂糖……65g
・水……100ml
・酢……大さじ1/2
・水あめ……大さじ1

作り方
① 生わらびはAの汁に1時間ほど浸けてあくを抜き、塩をこすりつける。沸騰したお湯に重曹を入れ、わらびにかけ5分ほど置きざるに上げて冷ます。
② ①を水でよく洗い、フードプロセッサーでペースト状にする。
③ 鍋にBと②を入れ、中火にかけ、固まり始めたら火を弱めて粘りが出て透明になるまでよく練り、あら熱をとる。
④ 浅めのカップにラップを敷き、③の生地を5等分に入れる。ラップを茶巾に絞り、口元を輪ゴムで留め、氷水で冷やし固める。
⑤ 固まったらラップをはずし、砂糖を混ぜ合わせたきな粉をまぶして器に盛り、まわりに黒蜜を流す。

ポイント
生わらびが手に入らないときは、ゆでわらびでもよいでしょう。生のわらびのみ、大根おろしが必要です。
温かく作るときは水分を少なめにし、冷たくするときは水分を多めにするとよいでしょう。


道明寺桜餅

材料(5個分)
・道明寺粉……150g
・水……150ml
・砂糖……大さじ1/2
・小豆こしあん……100g
・塩漬けの桜の葉……5枚

作り方
① 道明寺粉は水に浸して15分ふやかし、ふきんを敷いた蒸し器に入れ、強火で10分蒸す。
② ①をボールに移し、熱いうちに砂糖を入れて混ぜ5等分に分ける。
③ 小豆こしあんを等分にして、②を1個ずつラップにはさんで薄くのばし、あんを包む。俵形に整えて、桜の葉を巻く。

ポイント
食紅を使わずに仕上げた、清楚な甘味です。道明寺粉を蒸す場合は、電子レンジでも結構です。その場合、500wで30秒から1分ぐらいが適当です。


たけのこ餅は、優しい味わいのお菓子です。たけのこは、春の代名詞ともいわれる野菜で食物繊維が多く含まれます。食物繊維は便通をよくし、コレステロールの吸収を抑える働きもあるので高脂血症や肥満などの予防になります。腸年齢を若く保つことは、免疫力をアップするうえでとても大切です。 
切り口についている白い粉はチロシンといい、アミノ酸の1種です。チロシンは、ドーパミンやノルアドレナリンなどの神経伝達系物質の原料となります。ドーパミンはご存知のことと思いますが、脳を活性化して集中力や記憶力を高める作用があるといわれています。
桜餅は、2種類作ります。どちらも、食紅を使わずに清楚に仕上げました。こしあんの材料である小豆には、ビタミンB1が豚バラ肉に迫る量が含まれています。ビタミンB1は、糖質をエネルギーに変える働きがあります。小豆に含まれるポリフェノールは赤ワインの2倍近くも含まれ、活性酸素を除去し免疫力のアップに役立ちます。小豆のポリフェノールは、他の豆類よりも多く含まれます。
お米にはアミノ酸の1種であるリジンが少ないのですが、小豆にはリジンをはじめ必須アミノ酸が豊富に含まれます。そのため桜餅のようにお米と組み合わせていただくことは、先人たちの知恵といえます。
わらび餅は、立春から作り始める伝統のお菓子です。生わらびを使って作ります。生わらびはたけのこ同様、大根のおろし汁を使いあくを抜きます。
優しい味わいの春の和菓子で、春の芽吹きを楽しみましょう。


野崎洋光 のざき ひろみつ
1953年福島県生まれ。「東京グランドホテル」「八芳園」を経て、ふぐの名店「とく山」の料理長を務め、1989年に支店「分とく山」を開店。伝統的な和食の技法をふまえつつ、シンプルで美味しいもの、体にいいものを主眼に独自の料理を展開。アテネ五輪日本代表野球チームの料理を担当、話題を呼ぶ

牛込紀子 うしごめ のりこ
東京都出身。栄養士。食品メーカーでメニュー提案などを担当、現在に至る。「食べものが身体をつくる」を基本に素材の持ち味を生かした、身体にやさしくておいしいメニューづくりに奮闘中。「野菜をこよなく愛する」ことと「食べものへの好奇心を失わないこと」が信条。子どものころから根っからの野菜好き

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