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野崎洋光と牛込紀子の「和のテイストで、免疫力アップ・レシピ」

生命のパワー満ち溢れる芽吹き野菜を味わう

撮影●大関清貴
発行:2010年4月
更新:2019年11月

  

芽吹きは、人に力を与えます。
勢いよく芽吹く春野菜に、私たちは勇気をいただくことができます。
春の代名詞であるたけのこは焼いてよし、煮てよし、揚げてよし、
えぐみを抜けば生でもいただけます。
今回は、素材の味を生かした、簡単にできる生のたけのこづくしのお料理です。
ビタミンやミネラルをたっぷり含む芽吹き野菜のたけのこを、
おいしくいただきましょう。


焼きたけのこ

材料(2人分)
・たけのこ……1本
・削りぶし……少々
・木の芽……少々
A
・大根汁……250cc
・水……250cc
・塩……小さじ1

B
・出汁……90cc
・酒……60cc
・薄口醤油……30cc

作り方
① たけのこはAの汁に1時間ほどつけ、あくを抜いたあと、水洗いをして水分をふきとる。
② 生のままオーブンで焼き、焼き目がついてきたら、Bをかけながら焼く。2、3回、Bをかけて焼きを繰り返す。
③ 焼きあがったら、一口大に切り、削りぶしと細かく叩いた木の芽を散らし、さっとあぶって香りを出す。


若竹煮

材料(2人分)
・たけのこ(小)……2本
・わかめ……50g
・フキ……1本
・水……250cc
・昆布(4センチ×4センチ)……1枚
・煮干……10g
・塩……小さじ1/4
・薄口醤油……小さじ1/2

A
・大根汁……250cc
・水……250cc
・塩……小さじ1

作り方
① たけのこは皮をむいて水で洗い、4等分のくし形に切ってAの汁に1時間ほどつけ、あくを抜く。
② フキは色よくゆで、皮をむいて5センチの長さに切っておく。
③ 煮干はワタと頭をとり、昆布と一緒に水に一晩つけ、煮干だしをとる。
④ ③のだしに塩・薄口醤油を入れ、味を調えてたけのこを入れ、80度を保って5分間煮る。
⑤ 食べやすい大きさに切ったわかめを入れて、煮る。仕上げにフキを入れて、さっと煮る。


たけのこ御飯

材料(2人分)
・たけのこ……1本(250g)
・油揚げ……1/2枚
・米……2合
・木の芽……適量
・大根汁……250cc
・水……250cc
・塩……小さじ1

A
・水……300cc
・薄口醤油……30cc
・酒……30cc

作り方
① たけのこは若竹煮と同様にあくを抜き、2センチ角に切る。
② 油揚げは細かく刻んで熱湯をかけて油抜きし、ざるに上げて汁気を切る。
③ 米は水洗いして15分間浸水させた後、ざるに上げて15分間おく。
④ 土鍋、または炊飯器に米、A、油揚げ、たけのこを入れ、炊きあげる。
⑤ 炊きあがったら、かき混ぜて木の芽を散らして仕上げる。

ポイント
炊飯器の場合は、高速炊きにします。


 たけのこの若芽は、10日で竹に成長するエネルギッシュな食べ物。かつおぶし、木の芽、わかめなどいろいろな素材との出合いを楽しむことができます。今回は、素材の美味しさを存分に堪能できるお料理です。
普通、たけのこのえぐみは糠と鷹の爪で煮てとりますが、大根おろしの汁を使っても、たけのこの風合いを残しつつ、簡単にえぐみを抜くことができます。
ご存知のとおり、大根おろしには殺菌作用や免疫力アップの作用があります。
たけのこは、低カロリーで繊維質がたっぷりです。不溶性食物繊維のセルロースは便の量を増やして便通を良くするので、お腹がすっきりします。
カリウム(ミネラルの一種)も多く、たけのこ100グラムで1日摂取量の25パーセント強を摂ることができます。カリウムは体内の余分なナトリウム(ミネラルの一種)を排出する作用から、むくみの解消や高血圧の予防に効果的です。そして筋肉の収縮を助け、すらりとした体にします。さらに、たんぱく質の一種であるチロシンを含みます。チロシンは、たけのこの切り口に付いている白い粉でドーパミンやノルアドレナリンなどの神経伝達の原材料になります。脳や神経の働きを活発にして集中力を高めます。最近では、うつ病や認知症の予防にも効果的とも言われています。
造血ビタミンとも言われる葉酸も多く含みます。葉酸は、赤血球の生産や細胞の再生に必須のビタミンです。
春の代名詞、たけのこの芽吹きの勢いを体に取り込んで元気な春を満喫いたしましょう。


野崎洋光 のざき ひろみつ
1953年福島県生まれ。「東京グランドホテル」「八芳園」を経て、ふぐの名店「とく山」の料理長を務め、1989年に支店「分とく山」を開店。伝統的な和食の技法をふまえつつ、シンプルで美味しいもの、体にいいものを主眼に独自の料理を展開。アテネ五輪日本代表野球チームの料理を担当、話題を呼ぶ

牛込紀子 うしごめ のりこ
東京都出身。栄養士。食品メーカーでメニュー提案などを担当、現在に至る。「食べものが身体をつくる」を基本に素材の持ち味を生かした、身体にやさしくておいしいメニューづくりに奮闘中。「野菜をこよなく愛する」ことと「食べものへの好奇心を失わないこと」が信条。子どものころから根っからの野菜好き

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