出会いの季節、春。
春、産卵のために戻ってくる背の青い魚は脂が少なく、さっぱりといただけます。
また力強い野菜は、春に芽吹きます。
春は優しくて、パワーあふれる食材たちとの出合いが楽しめます。
旬をいただき、体に新鮮な風を取り入れて元気に過ごしましょう。

鯖の味噌煮

材料（2人分）
・鯖……半身1枚
・片栗粉……小さじ1
・水……小さじ1
・ブロッコリー……30～40ｇ
・しょうが……20ｇ

煮汁
・酒……100cc
・水……100cc
・味噌……大さじ3
・砂糖……大さじ2
・酢……大さじ1

作り方
①　鯖の切り身は両面に塩をする。20分置いてから15秒熱湯に浸す。白くなったら冷水に入れ、ぬめりや汚れを洗い水気を拭く。　ブロッコリーはさっと茹でる。
②　しょうがは皮をむいて、薄切りにする。
③　鍋に霜降りした鯖と煮汁を入れ火にかける。沸騰したら火を弱め、5分煮る。
④　ブロッコリー、しょうがを加え、火が通ったら、水で溶いた片栗粉でとろみをつける。

ポイント
鯖は煮過ぎないようにしましょう。

アスパラすり流し

材料（2人分）
・アスパラ……4本
・そうめん……1把
・片栗粉……小さじ1
・水……小さじ1
・塩……小さじ1/2弱
A
・豆乳……150cc
・水……150cc

作り方
①　そうめんはあらかじめ茹でておく。
②　アスパラは茹でて、フードプロセッサーにかけて細かくする。
③　鍋にAを合わせ、②を入れて温め、塩で味つけをする。
④　③にそうめんを入れて、水で溶いた片栗粉でとろみをつける。

ポイント
すり流しは沸騰させないように温めましょう。

ごぼう油揚げご飯

材料（2人分）
・米……2合
・ごぼう……50g
・油揚げ……1枚
A
・水……300cc
・酒……30cc
・しょうゆ……30cc

作り方
①　米は洗って水気を切り、水に15分つける。ざるに上げてさらに15分おく。
②　ごぼうは小口に薄く切り、さっと水で洗い、水気を切る。
③　油揚げは油抜きして、フードプロセッサーにかけて細かくする。
④　炊飯器に①～③とAを入れて早炊きで炊く。

ポイント
ごぼうは水につけすぎないようにしましょう。

 鯖は青魚の王様といわれるように栄養的にとても優れた魚です。ＤＨＡ、ＥＰＡ、ビタミンＢ２とビタミンＤを含みます。
ＤＨＡは脳や神経組織に働きかけ、記憶力を良くします。
ＥＰＡは血液中の中性脂肪を減らし、血液をサラサラにします。王様の名に相応しく、力強く免疫力を上げてくれます。味噌煮にすると汁ごといただけ、不飽和脂肪酸を逃がさないので体内の酸化を防ぎます。ビタミンＣが豊富なブロッコリーと一緒に摂ることも理にかないます。
大豆を元に作られる味噌に含まれる、大豆サポニンには強い抗酸化作用があり、コレステロールを低下、肥満を改善、高血圧の予防など免疫力アップに欠かせない味方です。
ごぼうは食物繊維を豊富に含みます。食物繊維には水溶性と不溶性の２種類があり、それぞれ違う作用を持っています。とくに不溶性の食物繊維は良くかまないと飲み込めないため、咀嚼回数を増やし、満足感が得られ、腹持ちを良くします。農薬など有害物質を体外に排泄する働きもあるので大腸がんの予防にもなるといわれています。
アスパラは免疫力アップに欠かせないβカロテンやビタミンＣ、Ｅ、そしてアミノ酸の一種で、抗酸化作用のあるアスパラギン酸を含みます。アスパラギン酸はたんぱく質やエネルギー代謝を活発にし、疲労回復に一役買ってくれます。
大豆が原料の豆乳が含むグリニシンは、血中のコレステロールを下げてくれます。コレステロールを含まない大豆は優秀な自然のバランス食といえます。

野崎洋光 のざき　ひろみつ
1953年福島県生まれ。「東京グランドホテル」「八芳園」を経て、ふぐの名店「とく山」の料理長を務め、1989年に支店「分とく山」を開店。伝統的な和食の技法をふまえつつ、シンプルで美味しいもの、体にいいものを主眼に独自の料理を展開。アテネ五輪日本代表野球チームの料理を担当、話題を呼ぶ

牛込紀子 うしごめ　のりこ
東京都出身。栄養士。食品メーカーでメニュー提案などを担当、現在に至る。「食べものが身体をつくる」を基本に素材の持ち味を生かした、身体にやさしくておいしいメニューづくりに奮闘中。「野菜をこよなく愛する」ことと「食べものへの好奇心を失わないこと」が信条。子どものころから根っからの野菜好き

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