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野崎洋光と牛込紀子の「和のテイストで、免疫力アップ・レシピ」

陽の光をいっぱい浴びた若葉の生命を

撮影●大関清貴
発行:2008年5月
更新:2019年12月

  

東京・西麻布にある日本料理の名店「分とく山」の名料理人、野崎洋光さんは、和食の伝統や習慣を踏まえつつも、それにとらわれない、素材そのものの味を生かした独自の料理を創り、多くの人々を魅了しています。今回は、陽の光をいっぱい浴びた、生命力あふれる、みずみずしい野菜たちで彩られた簡単料理です。


3種の和え物

じゃがいもとパプリカのごま和え

材料(2人分)
・じゃがいも……1個
・赤パプリカ……25g
・黄パプリカ……25g
・緑パプリカ……25g
・しょうゆ……少々
・黒ごま……50g
・砂糖……大さじ2
・濃い口しょうゆ……大さじ1.5

作り方
① すり鉢に黒胡麻を入れて細かくなるまですりつぶし、砂糖、醤油を加えて混ぜ合わせる。
② じゃがいもは皮をむきマッチ棒くらいの大きさに切って水に取り、歯ごたえが残るくらいに茹でておく。
③ パプリカも同じくらい長さに切り、さっと茹でておく。
④ ②のじゃがいもと③のパプリカを合わせ、しょうゆ少々で和えておく。
⑤ ①のごま和え衣で④のじゃがいもとパプリカを和える。

ポイント
胡麻はすり胡麻で代用しても良いでしょう。和え物はあらかじめしょうゆで下味を付けておくと良く絡みます。

うどと海老の梅和え

材料(2人分)
・うど……15センチぐらい
・海老……2本
・梅干し……大2個
・しょうゆ……小さじ1
・きぬさや……4枚

作り方
① うどは皮をむき乱切りにし、15%の酢水に漬けておく。
② きぬさやはさっと茹でておく。
③ 海老もさっと茹でておく。
④ 梅干は細かくつぶし、醤油でのばしておく。
⑤ ①のうどと絹さやを3の梅肉で和える。

ポイント
彩りもきれいで食欲をそそる1品です。

そら豆のくるみ和え

材料(2人分)
・豆腐……1/2丁
・砂糖……大さじ1
・薄口しょうゆ……小さじ1
・くるみ……100g
・そら豆……100g
・油揚げ……1/2枚 
・水……125cc
・薄口しょうゆ……5cc
・酒……5cc

作り方
① 豆腐は良く水切りをしておく。
② そら豆は皮をむき、さっと茹でておく。
③ 油揚げは油抜してから半分に切り、水、しょうゆ、酒で煮ておく。1センチほどの短冊に切っておき、冷めたら水気を切っておく。
④ くるみは軽く炒めておく。
⑤ すり鉢にくるみを入れて細かくなるまですりつぶし、砂糖、薄口しょうゆ、①の豆腐を加えて混ぜ合わせる。
⑥ ⑤のくるみ和え衣でそら豆と③の油揚げを和える。

ポイント
油揚げは煮て、下味を付けておくと和え衣と馴染みやすくなります。また水気は切っておくと絡みやすくなるので美味しく出来ます。和え物は食べる直前に和えると美味しくいただけます。


ブロッコリーとじゃがいものすり流し

材料(2人分)
・じゃがいも……120g
・ブロッコリー……100g
・人参……4センチ
・こんぶ5×5センチ……1枚
・水……600cc
・鶏もも肉……100g
・薄口しょうゆ……少々
・塩・こしょう……少々

作り方
① 鶏もも肉は熱湯に入れ、霜降りする。水に落として汚れを取り、水気を取る。
② ブロッコリーは小房に分ける。じゃがいもは皮をむき、適当な大きさに切り水にさら し、水気を取る。
③ 人参は皮をむき短冊切りにする。さっと塩茹でして水に落とし、水気を切。る
④ 鍋に①の鶏肉、昆布、水をあわせて火にかける。沸騰したら90度Cに落として30分煮る。
⑤ ④から鶏肉を取り出し、煮汁を漉してスープを取る。鶏肉は適当な大きさにほぐしておく。
⑥ 鍋に⑤のスープを入れて火にかけ煮立ったら②のじゃがいもを加えて煮る。火が通ったらブロッコリーを加えて更に煮る。
⑦ ⑥を火からはずしフードプロセッサーで細かく砕く。塩、薄口しょうゆで味を整える。
⑧ 器に⑤の鶏肉、人参を入れ、熱い⑦の汁を張り、こしょうを振る。


春菊と油揚げのご飯

材料(2人分)
・春菊……1/2束
・油揚げ……1/2枚
・米……2合
・だし……300cc
・薄口しょうゆ……30cc
・酒……30cc

作り方
① 油揚げはフードカッターにかけ、粗めのみじん切りにする。その後油抜きをする。
② 春菊は熱湯でさっと茹で、細かく刻んでおく。
③ 米は研いで15分浸水後、ザルに15分とり、水気を切っておく水、薄口しょうゆ、酒、①の油揚げを入れて高速で炊く。
④ 炊きあがったら③の春菊を入れる。


 「夏も近づく八十八夜……」と歌にありますが、八十八夜とは立春から88日目の日、5月1日になります。歌で歌われている通り、野にも山にも、冬の間力を蓄えていた若葉が茂ります。
春は、冬の間こわばっていた体をほぐすために繊維質や苦味の多い野菜が多く出回り、食べることで体をケアしました。若葉の萌えるような初夏の季節には、体の調子を整えるために生命力に満ちた野菜たちを食べてエネルギーを取り込みます。
土を纏い、どっしりと大地に根をおろした野菜たちも魅力的でしたが、陽の光をたっぷり浴びて育った野菜たちもまた魅力的です。
初夏といえば豆をはじめ生命力に満ち溢れた野菜の数々が顔を出します。簡単にできるお料理を食べて野菜の生命力を取り込んで元気を出しませんか?
春菊は春に花を咲かせることからこの名前がつきました。独特の香りは自律神経に作用し胃腸の働きを良くしたり、春菊に含まれるビタミンAは粘膜を正常に保ち免疫機能を維持する、などの働きをします。油揚げと一緒に摂って吸収力アップです。
ブロッコリーとじゃがいもはビタミンCたっぷりの強力コンビです。じゃがいものビタミンCは熱に強く、ブロッコリーのビタミンCと合わせるとこの1品で1日必要量の約半分が摂取できてしまいます。
そら豆はさやが空に向かって付くため空豆。または蚕を飼う初夏に食べ、蚕の形に似ているから蚕豆と言われています。低コレステロールで繊維質も豊富です。豆腐は良質たんぱく質を含み、くるみのビタミンEと一緒に細胞を若返らせてくれます。
うどは沈静作用があります。海老とあわせて梅で和えて、初夏らしいさわやかな色合いも素敵です。
じゃがいもとパプリカはビタミンCが豊富です。黒ごまは鉄とカルシウムもたっぷりで、ビタミンCは鉄の運搬にも一役買い、鉄と摂ることによって、抗酸化作用が働き体内の酸化を食い止めます。ごま和えにして、たっぷりの栄養をいただきましょう。太陽の光をいっぱいに浴びた、みずみずしい初夏の素材で、若葉の季節の力をお召し上がりください。


野崎洋光 のざき ひろみつ
1953年福島県生まれ。「東京グランドホテル」「八芳園」を経て、ふぐの名店「とく山」の料理長を務め、1989年に支店「分とく山」を開店。伝統的な和食の技法をふまえつつ、シンプルで美味しいもの、体にいいものを主眼に独自の料理を展開。アテネ五輪日本代表野球チームの料理を担当、話題を呼ぶ

牛込紀子 うしごめ のりこ
東京都出身。栄養士。食品メーカーでメニュー提案などを担当、現在に至る。「食べものが身体をつくる」を基本に素材の持ち味を生かした、身体にやさしくておいしいメニューづくりに奮闘中。「野菜をこよなく愛する」ことと「食べものへの好奇心を失わないこと」が信条。子どものころから根っからの野菜好き

「分とく山」花板・野崎洋光さんの免疫を整えるレシピが1冊の本にまとまりました。
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