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野崎洋光と牛込紀子の「和のテイストで、免疫力アップ・レシピ」

栄養たっぷりの旬の食材を享受し、免疫力をアップする

撮影●大関清貴
発行:2009年7月
更新:2019年11月

  

現代の日本人は、栄養摂取量は足りていますが、ビタミンなどの栄養素は不足しています。
日本人の食生活は戦後、とても豊かになりました。
しかし、欧米化へと変化した私たちの食生活は、3大栄養素(脂質、糖質、たんぱく質)は豊富に摂っている一方、ビタミンなどの栄養素は不足するなど、栄養のバランスは崩れているといわれています。
旬の食材は、新鮮でビタミンの含有量など栄養成分が豊富です。
栄養たっぷりの旬の食材を、旬の時期に享受し免疫力をアップしましょう。


トマトの豚肉挟み

材料(2人分)
・トマト(中)……2個
・豚こま切れ肉……60g
・たまねぎ……1/4個
・生姜……1かけ
・サラダ菜……適量
・サラダ油……大さじ2と1/2
・酢……大さじ2

A
・醤油……大さじ1
・ごま油……大さじ1/2
・煎り白ごま……大さじ1と1/2
・おろし生姜……小さじ1/2

作り方
① Aのドレッシングを、合わせる。
② トマトは、根元を残して1センチぐらいの厚さに切る。
③ たまねぎ、生姜はみじん切りにして水に放ち、ザルに上げて水気を切る。
④ 豚肉は熱湯でさっと火を通し、冷水にとって水気をとる。
⑤ ②のトマトに、③と④を挟む。
⑥ 器にサラダ菜を敷いて⑤を盛り付け、①のドレッシングをかける。

ポイント
豚肉はさっと霜降りして挟むのがポイントです。


大根飯

材料(2人分)
・米……2合
・水……300cc
・醤油……大さじ1
・酒……大さじ1.5
・油……小さじ2
・大根……50g
・芽ひじき(戻したもの)……50g
・大根の葉……80g
・煎りごま(白)……大さじ1

作り方
① 米は研いで15分浸水後ザルに15分とり、水気を切っておく。米は2割吸水するので目盛りを少なめにし、高速炊きで炊く。
② 大根の葉は細かく刻み、皮は縦3.5センチ横5ミリの短冊に切っておく。
③ 芽ひじきはたっぷりの水に漬けて戻し、熱湯にさっと通しておく。
④ フライパンを熱してサラダ油をひき、大根から炒める。少ししんなりしてきたらひじきと大根の葉を入れて炒め、酒、醤油を入れ、汁気が無くなったら煎りごまを入れて仕上げる。
⑤ 炊きあがったご飯に、④を入れて混ぜ合わせる。

ポイント
大根の皮を入れても、歯ごたえ良くいただけます。芽ひじきは乾燥ならば、5グラムになります。


穴子の味噌汁

材料(2人分)
・焼き穴子……1/2本(50g)
・大葉……2枚
・ズッキーニ……1/2本(50g)
・ねぎ……30g
・味噌……大さじ1
・水……300cc
・煮干……5匹
・昆布5センチ角……1枚

作り方
① 焼き穴子は、食べやすい大きさに切る。」
② ズッキーニは縦四つ割にし、幅3センチぐらいに切る。ねぎは、小口に切る。
③ 水に頭と腹わたを取った煮干を入れ一晩おき、取り出しておく。鍋に、①②の材料を入れて火にかける。野菜に火が通ったら、味噌を加えて手でちぎった大葉を加える。

ポイント
意外な取り合わせですが、とても美味しいお味噌汁です。味噌は、ぐらぐらと煮立てないように致しましょう。


食べ物には免疫力を高める、食欲増進、などの力があります。先人たちは、それらの力を普段の食事に生かして私たちに伝えてくれました。彼らの知恵を今の時代に取り入れて、今回も自然の恵みをいただきましょう。
大根飯は、古くて新しい献立です。
葉も使い、大根をまるごと楽しみます。ひじきは、マグネシウムとカルシウムを豊富に含みます。この2つの栄養素は抗ストレスのミネラルといわれ、体内で手を携えて働きます。また、カルシウムはご飯と一緒に摂ると吸収されやすくなります。
ズッキーニに含まれるビタミンKは骨を丈夫にし、血液凝固を助け、強い体を作ります。穴子はビタミンAが豊富で、粘膜や眼の健康を守り、免疫力を高めてくれます。味噌は、老化防止や胃の病気を予防してくれる免疫力アップの力強い味方です。しそに含まれるカロテン、カルシウム、ビタミンB2、食物繊維の含有量は野菜の中でもトップクラスで、食欲を増進させてくれます。
豚肉に含まれるビタミンBは、体と心を健やかに維持する大切な補酵素です。疲労回復や、美肌に一役買います。ビタミンB1は、たまねぎに含まれる香り成分のアリシンと一緒に摂ることによって吸収率がアップします。アリシンは熱に弱いので、生で食べるほうが良いのです。トマトは、ビタミンCを豊富に含みます。ビタミンCは、美肌を作り、ストレスを回避し、ウイルスの進入をブロックします。いちばんの大仕事は体の酸化を食い止め、免疫力を強化させることです。


野崎洋光 のざき ひろみつ
1953年福島県生まれ。「東京グランドホテル」「八芳園」を経て、ふぐの名店「とく山」の料理長を務め、1989年に支店「分とく山」を開店。伝統的な和食の技法をふまえつつ、シンプルで美味しいもの、体にいいものを主眼に独自の料理を展開。アテネ五輪日本代表野球チームの料理を担当、話題を呼ぶ

牛込紀子 うしごめ のりこ
東京都出身。栄養士。食品メーカーでメニュー提案などを担当、現在に至る。「食べものが身体をつくる」を基本に素材の持ち味を生かした、身体にやさしくておいしいメニューづくりに奮闘中。「野菜をこよなく愛する」ことと「食べものへの好奇心を失わないこと」が信条。子どものころから根っからの野菜好き

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