1. ホーム > 
  2. 暮らし > 
  3. 食生活 > 
  4. レシピ
 

野崎洋光と牛込紀子の「和のテイストで、免疫力アップ・レシピ」

夏野菜と夏の薬味で「食べる」意欲がわく

撮影●大関清貴
発行:2008年8月
更新:2019年12月

  

夏野菜のきゅうり、しそ、しょうがなどには、免疫力を増強させる作用があると言われています。
中でも薬味は、爽やかな香りで食欲を高める役割も。
いくら栄養があるといっても、食べたくないと思うと、胃は消化できない。食べるという意欲が大事なんです。
夏野菜、夏の薬味をじょうずに使った、食欲をそそる3品です。


干物薬味ご飯

材料(2人分)
・米……2合
・水……480㏄
・干物……1枚
・みょうが……1個
・わけぎ……2本
・貝割れ……1/4パック
・しょうが……1/2かけ
・大葉……3枚

作り方
① 米は研いで15分浸水後、ザルに15分とり、水気を切っておく。米は2割吸水するので目盛りを少なめにし、高速炊きで炊く。
② みょうがは縦に割り小口切りにし、わけぎも小口切りにする。貝割れは根を取り1/3に切り、しょうがはみじん切りにしておく。水に放ってからザルで水気を切っておく。
③ 干物は焼いて骨を取り、ほぐしておく。
④ ご飯が炊きあがったら、③の を混ぜ、茶碗に盛り、薬味を乗せていただく。

ポイント
鯵の干物と薬味がぴったりの1品です。万能薬味は材料を細かく刻んで水気を切り、ペーパータオルを敷いた密閉容器に入れ、冷蔵庫に入れておけば1週間ほど持ちます。


いんげん油揚げごま和え

材料(2人分)
・いんげん……10本
・油揚げ……1/2枚
・いりごま……50g
・砂糖……大さじ2
・薄口しょうゆ……大さじ1
・しょうが(薄切り)……7~8枚

作り方
① いんげんは塩を入れた熱湯で茹でて冷水にとり、3センチぐらいに切り、しょうゆでもんで汁気を切っておく。
② 油揚げは油抜きをしてから少し焼色がつく程度に焼き、1×3センチぐらいの短冊に切っておく。
③ ごまは半ずりにしておく。
④ しょうがの薄切りはさっと茹でておく。
⑤ 和え衣の材料を合わせ、いんげんと油揚げ、④のしょうがの薄切りを合わせる。

ポイント
いんげんはしょうゆをかけて馴染ませておくと、和え衣と馴染みやすくなります。また、水気は切っておくと絡みやすくなるので美味しくできます。和え物は食べる直前に和えると美味しくいただけます。


きゅうりすり流し

材料(2人分)
・じゃがいも……120g
・きゅうり……1本
・じゅんさい……大さじ2
・薄口しょうゆ……小さじ1/2
・塩……小さじ1/2
・しょうが……少々
A
・スープ 500cc
・こんぶ10×5センチ……1枚
・水……600cc
・鶏もも肉……100g

作り方
① 鶏もも肉はたっぷりの湯に入れ、さっと火を通して冷水にとり、表面を洗い、水気をとる。
② 鍋に①の鶏肉、こんぶ、水をあわせて火にかける。沸騰したら90度に落として30分煮る。
③ じゃがいもは皮をむき、適当な大きさに切り、水にさらし、水気をとる。
④ きゅうりは縦2つに割り、種をとっておく。
⑤ しょうがは皮を剥いて薄く切っておく。
⑥ ②から鶏肉を取り出し、煮汁を漉してスープをとる。鶏肉は適当な大きさにほぐしておく。
⑦ 鍋に⑥のスープを入れて火にかけ、煮立ったら、③のじゃがいもを加えて煮る。火が通る前にきゅうりを入れてさっと火を通す。
⑧ 火からはずし、フードプロセッサーにかけてペースト状にし、塩、薄口しょうゆで味を整える。
⑨ 器に鶏肉を入れ、⑧を注ぎ、じゅんさいとしょうがのスライスを添える。

ポイント
体に優しい和風のポタージュです。


先人からの言葉に、「天ぷらとすいかは一緒に食べるな」があります。すいかは水分が多く、夏の涼味にはぴったりの果物ですが、食べ過ぎると、水分が多いため胃液を薄めてしまい、油の多い天ぷらとの食べあわせで消化不良を起こしたり、体を冷やしてしまうという戒めでした。
夏は食べることが薬となり、免疫力のつく野菜たちが私たちの周りに沢山あります。
万能薬味のしそ、みょうが、しょうが、わけぎ、貝割れ菜は胃の消化吸収を助け、食欲増進のほか、血行を良くしたり、解熱作用もあります。また殺菌作用、防腐剤の役目もあり、細かく刻むことによってその役割は増します。まさに体にとって食べる薬となります。
?は他の魚よりもビタミンD、カルシウムが豊富で、お互い助け合って骨への吸収を良くしてくれます。薬味ご飯と一緒に摂ることによって食欲が増進します。
きゅうりとじゃがいもはカリウムが豊富で、体内の塩分バランスを保ち、腎臓機能の低下や、高血圧の予防に役立ってくれます。じゅんさいと一緒になめらかな和風のポタージュにして汁ごといただきます。いんげんはビタミンBを多く含み、疲労回復、エネルギー代謝にも関わり、アスパラギン酸は成長作用もあります。カルシウムとマグネシウムたっぷりのごまと和え、薬効のあるしょうがを添えていただきます。
先人たちが残してくれた、知恵と工夫を生かし、食べることで元気になり、さわやかな日を送りましょう。


野崎洋光 のざき ひろみつ
1953年福島県生まれ。「東京グランドホテル」「八芳園」を経て、ふぐの名店「とく山」の料理長を務め、1989年に支店「分とく山」を開店。伝統的な和食の技法をふまえつつ、シンプルで美味しいもの、体にいいものを主眼に独自の料理を展開。アテネ五輪日本代表野球チームの料理を担当、話題を呼ぶ

牛込紀子 うしごめ のりこ
東京都出身。栄養士。食品メーカーでメニュー提案などを担当、現在に至る。「食べものが身体をつくる」を基本に素材の持ち味を生かした、身体にやさしくておいしいメニューづくりに奮闘中。「野菜をこよなく愛する」ことと「食べものへの好奇心を失わないこと」が信条。子どものころから根っからの野菜好き

「分とく山」花板・野崎洋光さんの免疫を整えるレシピが1冊の本にまとまりました。
本の詳細や購入はこちらからご覧ください>>>

同じカテゴリーの最新記事

  • 会員ログイン
  • 新規会員登録

全記事サーチ   

キーワード
記事カテゴリー
  

注目の記事一覧

がんサポート3月 掲載記事更新!