胆道がんに効果のある抗がん剤治療と、その副作用は?

回答者:池田 公史
国立がん研究センター中央病院 肝胆膵内科医師
発行:2007年4月
更新:2013年11月

  

胆道がんになり、抗がん剤治療(化学療法)を受けることになりました。しかし、「胆道がんに対する全身性化学療法の効果は不確実である」と聞いたことがあります。それは本当でしょうか。また、現時点でこの病気に有効な抗がん剤とその副作用について教えてください。

(東京都 男性 49歳)

A 期待されるジェムザール。副作用は比較的軽度

Q:外科手術が難しい場合、内科的な治療の方法は?」のお答えとも関連しますが、胆道がんに対する化学療法などの内科的治療は、延命効果が明らかでなく、現在のところ標準的な治療法が確立していません。その理由として、胆道がんは抗がん剤に抵抗性を示しやすいというがん自体の問題が挙げられます。したがって、「胆道がんに対する全身性化学療法の効果は不確実である」ことは事実です。しかし、前述したように、日本で昨年承認されたジェムザールなどの新規抗がん剤も登場し、さらなる治療成績の向上が期待されています。

ジェムザールは週に1回、30分の点滴で静脈内に投与します。これを3週連続で投与し、1週、休薬します。このスケジュールを1コースとして、1~2コースごとにCTなどで効果を確認しながら、治療効果がある限り継続します。

主な副作用は食欲不振、倦怠感、悪心、発熱、発疹、脱毛、肝機能障害、腎機能障害、間質性肺炎、骨髄抑制(白血球や赤血球、血小板の数値が下がること)です。骨髄抑制が起きた場合には、治療を休み、回復してから再開します。悪心に対しては、制吐剤を併用して対応します。いずれの副作用も、ほかの多くの抗がん剤に比べ、比較的軽度です。

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