内視鏡下手術で膀胱がんを切除。術後の後遺症の対策は

回答者・古賀文隆
がん・感染症センター都立駒込病院腎泌尿器外科部長
発行:2016年8月
更新:2016年7月

  

膀胱がんになり、低悪性度の表在がんと診断され、内視鏡下手術でがんを切除しました。今後は3カ月ごとに受診し、経過を観察することになっています。しかし、術後から排尿、排泄時の痛みが続き、夜中に2~3回、尿意のため目が覚めることがあります。手術の後遺症であれば、いずれ改善されますか。何か対策はあるのでしょうか。

(60歳 男性 埼玉県)

症状の強さによって鎮痛薬や頻尿改善薬を使う

がん・感染症センター都立駒込病院
腎泌尿器外科部長の古賀文隆さん

ご相談者が受けられた経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-BT)は、がんを電気メスで切除後、電気メスで焼くことで凝固止血する治療法です。凝固された膀胱壁は、いわば「火傷」を起こしている状態で、そのためご相談者が訴えるような膀胱炎症状が出現します。症状の程度は切除範囲や部位によって異なりますが、中には術後1カ月程度続くケースもあります。

基本的には、時間が解決する後遺症なので経過を見ることになりますが、夜も眠れなかったり、日常生活が困難になるのであれば、鎮痛薬や頻尿改善薬などの対症療法を行います。また、細菌性膀胱炎を併発して強い膀胱炎症状が出ている場合もあるので、その場合は尿検査で判定し、抗菌薬を使用します。

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