BCG療法の治療効果と、再発後の治療法を知りたい

回答者:福井 巌
がん研有明病院 泌尿器科部長・副院長
発行:2009年2月
更新:2013年12月

  

半年ほど前に、膀胱がんで経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-BT)を受けました。表在性膀胱がんとのことで、手術後は再発を防ぐためにBCG療法を受けています。このBCG療法の治療効果はどの程度なのでしょうか。また、BCG療法後に再発した場合、その次の治療はあるのでしょうか。

(東京都 男性 62歳)

A 表在性がんなら再度、膀胱温存、BCG療法を行う

再発を防ぐBCG療法の有効率は、50パーセントほどです。

BCG療法後に再発したときの治療法ですが、表在性膀胱がんなら、膀胱温存療法をします。

内視鏡的切除を行い、病理所見によりもう1度、BCG療法を行うか、抗がん剤注入療法を行うか、いずれかの膀胱温存療法を選ぶのがよいと思います。放射線療法の有効性は証明されていません。

BCG療法の2回目の有効率は30パーセントほどで、初回よりも低くなります。また、BCG療法の副作用は、初回よりも2回目のほうが強くなります。

BCG療法には、頻尿・排尿痛、血尿などの膀胱刺激症状、関節痛、腰痛、発熱、発疹などの副作用があります。また、強いアレルギー反応や、炎症で膀胱が小さくなる萎縮膀胱などの強い症状も起こります。1回目のBCG療法で、こうした副作用が少なかったとしたら、もう1回、BCG療法を行ったほうがよいでしょう。

抗がん剤注入療法とは、マイトマイシン(一般名マイトマイシンC)もしくはアドリアシン(一般名ドキソルビシン)を用いた注入療法です。多くは単剤で行いますが、併用することもあります。投与期間はBCG療法よりも長くなります。有効性はがんの病理所見によって幅がありますが、30パーセントほどです。BCG療法よりも有効性は低いようです。

BCG療法、抗がん剤療法ともに有効でないときは、もう1度、内視鏡手術で切除することもありますが、全摘手術を考えます。いずれにしても、治療が手遅れにならないように取り組むことが大切です。

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