非ホジキンリンパ腫の経過観察中、何も治療しないで大丈夫か
2021年9月、がんセンターを受診。検査の結果、免疫グロブリンMの値が1dl当たり3,445mgと基準値(35~220mg)より極めて高いことがわかりました。骨髄検査やCT検査の結果、非ホジキンリンパ腫(NHL)と診断されました。
ところが、当面は治療の必要はないと言われ、4カ月ごとに通院検査をして経過観察を続けています。そこでご相談ですが、このまま何の治療も受けなくて大丈夫なのでしょうか。またどういった症状がでたら、どんな治療を始めるのでしょうか。
(71歳 男性 栃木県)
A 無症状なら治療を開始しないのが一般的

日本赤十字社医療センター
血液内科副部長の塚田さん
血液内科副部長の塚田さん
原発性マクログロブリン血症(リンパ形質細胞性リンパ腫)では、無症状の場合には治療を開始しないのが一般的です。無症状のまま経過観察できる期間が患者さんによって異なるため、また早く治療を開始したとしても治癒することが難しいことがその理由です。
症状としては、リンパ節や深部の腫瘍の増大、貧血、発熱、倦怠感、体重減少、また過粘稠度症候群(かねんちょうどしょうこうぐん:血液中のMタンパクが増加すると、血液の粘り気が強くなる)による末梢神経障害などが挙げられます。
治療としては、抗CD20モノクローナル抗体であるリツキサン(一般名リツキシマブ)単独、もしくはリツキサンと他剤エンドキサン(一般名シクロホスファミド)、トレアキシン(一般名ベンダムスチン)、ベルケイド(一般名ボルテゾミブ)などの併用療法が行われます。過粘稠度症候群による症状がみられる場合には血漿交換を行うこともあります。