手術を受けずに悪性線維性組織球腫を治せないか
父(72歳)は、左の太ももが異様に大きく腫れ上がり、病院へ行ったところ、軟部肉腫の1つである悪性線維性組織球腫と診断されました。主治医からは、根治するには、足を切断するしかないと言われています。しかし、いろいろ調べてみると、足を切らずに放射線治療で治す方法もあるようです。父の年齢などを考えると、なるべく負担がかからない治療を受けさせてあげたいと思います。手術以外の治療で、何かよい治療はないでしょうか。
(三重県 女性 45歳)
A 根治をめざすには手術を行うのが最も確実
根治をめざすのであれば、主治医のおっしゃるように、手術で腫瘍を完全に取りきるのが最も確実な方法です。通常の放射線治療で軟部肉腫が完全に治ることはほとんどないのが現状です。
ただし、放射線治療の一種である重粒子線治療には、これらの骨・軟部肉腫の原発巣を根治できる可能性が期待されていて、研究が進められています。しかし今はまだ、信頼性、安全性などに大きな問題があります。
御本人のお気持ち、年齢などを考え、QOL(生活の質)を重視しつつ、最もご本人の望まれる治療法を選択されるのがよいと思いますが、軟部肉腫に対する各治療法の限界もよくご理解された上でお決めになられることがとても大切と考えます。