子宮頸がんの3a期。化学放射線療法を選択してよいか

回答者:宮城 悦子
横浜市立大学付属病院 化学療法センター長
発行:2008年8月
更新:2013年12月

  

子宮頸がん(扁平上皮がん)の3a期と診断されました。今後、標準治療である化学放射線療法(抗がん剤治療+放射線治療)を行う予定と主治医に言われましたが、副作用や合併症が心配です。

抗がん剤治療か放射線治療のどちらかだけでは効果はないのかと思っていたところ、少し前の『がんサポート』に「3a~4a期の子宮頸がんの標準治療は化学放射線療法だが、放射線治療単独より化学放射線療法が有効であるとする臨床試験は、すべて欧米のもの。放射線のかけ方も日本と欧米とでは異なる」といった記述がありました。

ということは、日本人の場合には、必ずしも化学放射線療法がよいかはわからないということだと思います。

治りたいのはやまやまですが、同時に副作用や合併症もできるだけ小さい治療を望みます。最新の情報などがありましたら、お教えください。また、治療法の選択に関し、アドバイスをお願いします。

(兵庫県 女性 53歳)

A 米国では標準治療だが、日本では検討中の治療法

「放射線治療を必要とする子宮頸がん患者においては、化学放射線療法の適用を考慮すべきである」という趣旨の勧告が、1999年にNCI(米国国立がん研究所)から出されています。つまり、3a~4a期の子宮頸がん(扁平上皮がん)に対する治療法は、米国では、化学放射線療法が標準治療として推奨されています。

もう少し詳しく記せば、放射線治療単独に比べ、化学放射線療法のほうが、無増悪生存(病状が悪化することなく生存していること)も全生存も改善したというデータや、化学放射線療法が局所・遠隔転移、それぞれの再発率を低下させたというデータがあります。また、カナダからは、シスプラチン(商品名ランダまたはブリプラチン)を用いた化学放射線療法が死亡リスクを低下させるという報告もなされています。

しかし日本では、3a~4a期の子宮頸がんに対する化学放射線療法の臨床試験は始まったばかりです。投与法も投与量も確立していませんし、日本人の女性の生存率が改善するのかどうかもまだわかっていません。また、ご相談者がお書きのように、放射線治療の方法の違いも踏まえ、検討する必要があります。

ただし将来的には、日本でも、化学放射線療法による治癒率・生存率が改善し、化学放射線療法が3a~4a期の子宮頸がんの明瞭な標準治療になる可能性はあると思います。

副作用に関しては、化学療法を加えることで、放射線による腸炎や膀胱炎などの症状が強く出る可能性もあります。

3期の子宮頸がんの患者さんのなかには、ご相談者とは反対に、化学放射線療法が日本では確立した治療ではないことを承知したうえで、化学放射線療法を希望される方も少なくありません。

大学病院やがんを専門とする大きな病院では、化学放射線療法の実施数も増え、治療経験をかなり積んできています。53歳という比較的若い年齢ですから、がん以外の重篤な病気がなく、体調もよいようであれば、化学放射線療法を選択されるのも1つの方法だと思います。ただしもちろん、インフォームド・コンセント(十分な説明と合意)を経たうえでご判断ください。

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