骨肉腫で切断した脚が痛い。痛みを取り去る方法は?

回答者:牧本 敦
国立がん研究センター中央病院 小児科医長
発行:2008年1月
更新:2013年12月

  

骨肉腫になった14歳(中学2年生)の娘のことでお尋ねします。抗がん剤治療を受け、その後、左脚を膝下15センチほどのところから切断しました。それ以降、ないはずの脚が激しく痛み続けています(「幻視痛」と言われました)。モルヒネもあまり効きません。主治医はもうすぐ治まると言いますが、脚を失った上に、激痛に苦しむ娘を前にすると、涙が止まりません。どうにか苦痛を取り去る方法はないでしょうか。

(愛媛県 女性 43歳)

A てんかんの治療薬に効果が期待できる

モルヒネをお使いになっているということは、その前に非ステロイド系消炎鎮痛剤(NSAIDs)などを使っても効果が得られないために、徐々にモルヒネを使用するに至ったものと推察します。

モルヒネなどのオピオイド鎮痛薬は疼痛治療の最終段階で使われる薬剤ですが、神経障害性の疼痛には効きにくい傾向があります。この方の場合には、テグレトール(一般名カルバマゼピン)やランドセン(一般名クロナゼパム)などの鎮痛補助薬を使うとよいと思います。テグレトールもランドセンも、共にてんかんの治療薬で、痙攣を止める効果があります。

テグレトール、ランドセン共に神経を抑制して異常な電気信号を抑える作用があり、それによって、神経痛を緩和する効果が期待できます。

テグレトールやランドセンなどの鎮痛補助薬はいずれか1剤を使用しますが、モルヒネなどのオピオイド鎮痛薬と併用することは可能です。こうした治療を行うことで、幻視痛がほとんどなくなることも十分に期待できます。

同じカテゴリーの最新記事

  • 会員ログイン
  • 新規会員登録

全記事サーチ   

キーワード
記事カテゴリー
  

注目の記事一覧

がんサポート4月 掲載記事更新!