声門がんが再発。声を残す治療法はないか
2006年2月に声門がんの病期1期と診断され、放射線治療を受け、がんはすっかり治ったと思っていました。ところが、今年の3月に再発が確認されました。主治医からは「喉頭を全摘出する手術が標準的な治療で、この手術を行えば、声が失われる」と言われました。どうしても声を残したいと思います。何かよい方法はないでしょうか。
(神奈川県 男性 68歳)
A 再発したがんの位置によっては、声を残す手術も
確かに原則的には喉頭全摘術が適応になりますが、声帯の動きが残っていて、再発したがんの位置が声帯の前方に限局しているのであれば、声を残せる可能性も十分にあります。
ただし、放射線治療前の最初のがんの広がり具合も考慮する必要はあります。
声帯とは、発声するための器官で、開閉する左右1対のひだの間の隙間(この隙間を「声門」といいます)に、肺から排出される空気を通過させ、振動を引き起こすことで声を発します。
声帯の後方に披裂というところがあり、ここで声帯全体を動かしています。そのため、声帯の後方にがんが浸潤していると、喉頭温存手術は難しくなります。
逆にいえば、がんが声帯の前方に限局して、声帯の動きが保たれていれば、声を残せる手術が行える可能性が高くなるわけです。
声を残す手術には「レーザー手術」や「喉頭部分切除術」「喉頭亜全摘術」があり、腫瘍の進み具合によって使い分けます。
また、喉頭を全摘出し、発声できなくなった場合は「代用音声」の獲得を目指すことになります。代用音声には「食道発声」「電気喉頭」「ボイスプロステーシス」「TEシャント法」があります。