早期の腎がん。全摘したい

回答者:井上 克己
昭和大学横浜市北部病院 泌尿器科准教授
発行:2012年11月
更新:2014年1月

  

超音波検査で右側の腎臓にT1a期の早期の腎がんが見つかり、部分切除を提案されています。しかし、再発が心配なので、がんがあるほうの腎臓を摘出してしまいたいのですが、この考え方は間違っていますか?

(栃木県 男性 55歳)

A 温存が可能なら部分切除を

人の身体には腎臓は2つあり、そのため、以前は健康な腎臓が2つある患者さんにがんが見つかった場合、片方の腎臓を摘出するのが一般的な治療法でした。腎臓が1個しかない単腎症や両方の腎臓にがんがある場合に限って腫瘍部分のみを取る部分切除が行われていました。

最近では、腎臓が2つある人に対しても、腎機能温存を目的とした部分切除が検討されています。なぜなら、腎機能が低下すると、QOL(生活の質)を著しく低下させる慢性腎臓病を患い、場合によっては永続的な人工透析が必要となるからです。

予後に関しても、T1a期では全摘と比べて、5年生存率や再発率に差は見られないという結果が出ています。最近ではご相談者のようなT1a期(4cm)以下の初期の小さな腎がんでは部分切除による温存療法が標準的な治療法となっています。

ただし、腎臓の中に腫瘍が埋没していたり、腎門部の血管が集中している部分に腫瘍がある場合は部分切除が適応とならない場合もありますので、1度主治医にご相談されてみてはいかがでしょうか。もし温存が可能であるのなら、部分切除を受けることをお勧めします。

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