ラジオ波焼灼療法は有効か?

回答者:井上 克己
昭和大学横浜市北部病院 泌尿器科准教授
発行:2012年11月
更新:2014年1月

  

84歳になる父が腰が痛むと言うので、調べてもらったところ、3cmのT1a期の腎がんであることがわかりました。父は認知症状はないのですが、「先が短いから、手術は嫌だ」と拒みます。私としても、本人の意向は尊重したいと思います。しかし、それでも何も治療をしないことに不安を感じて、セカンドオピニオンを受けたところ、ラジオ波焼灼療法という肝がんの治療法で使われている治療なら、負担もなく治療ができる可能性があるとのことでした。この治療法は、腎がんにも有効なのでしょうか?

(大阪府 女性 42歳)

A 考慮しても良いが、施設が限られる

ラジオ波焼灼療法とは、患部に針を刺して、熱でがんを焼灼する治療法です。この治療法の最大のメリットは低侵襲であるため、身体の負担が少なく、高齢者や手術を行う体力がない人に対して有効な治療法です。ただし、比較的新しい治療法ですので、短期的な治療成績のエビデンス(科学的根拠)はあっても長期的なエビデンスがないという問題点もあります。

この治療法の適応となる腎がんは、大きさは3cm以下で腎臓の表面に突出しているような腫瘍がよい対象となります。3cm以上であったり、腎臓の内側に埋まっているような腫瘍ではがんをうまく焼灼できず、再発の危険性が高くなります。

1番の問題はこの治療法が保険適応になっていない点です。現在限られた施設で先進医療として行われています。ご相談者の近くにこの治療を行う施設があれば、費用や治療の適応についてご相談されてはいかがでしょうか?

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