左腎をがんで摘出。右腎の機能を保つには?

回答者:中澤 速和
東京女子医科大学東医療センター 泌尿器科准教授
発行:2010年9月
更新:2013年12月

  

2年前、会社の定期健康診断で精密検査を受けたところ、左の腎臓の上のほうに4センチほどの腫瘍が見つかりました。腹腔鏡下手術で左の腎臓を取り除きました。伺いたいのは、現在は正常に機能している右の腎臓についてです。右の腎臓もがんになる可能性はあるのでしょうか。右の腎臓をいつまでも正常に機能させるために、日常生活で注意すべきことについても教えてください。

(山梨県 男性 47歳)

A 定期検査と生活習慣病の予防が肝心

腎がんになった方は、転移ではない、新しい腎がんができることもあります。つまり、左右の腎臓にがんができることもあるのです。その確率は100人に1~2人。それほど頻度が高いわけではありません。

腎臓を両方とも摘出すると、透析治療が必要になります。透析治療は、日常生活を送るうえで、大きな制約になります。そのためにも、がんを早期に発見して早めに治療をすることが大切です。

ご相談者の場合、年に1~2回、CTやエコー検査などで定期的に経過観察をすることが大切です。早期に発見すれば、腎機能は温存できます。がんの部位にもよりますが、がんが大きいと、手術も難しくなり、残せる腎臓も少なくなります。当センターでは、一般的には全摘になるケースでも、なるべく腎臓が残せるような手術を行っています。

また、日常生活における注意ですが、慢性腎臓病は生活習慣が悪影響を及ぼすといわれています。肥満や高脂血症、高コレステロール、高血圧、糖尿病などは腎機能を低下させます。したがって、生活習慣病にならないよう注意し、血圧や血糖値のコントロールをしっかりとすることが大切です。一般的なこととして、緑黄色野菜を中心とした食事と適度な運動を心がけたほうがよいでしょう。

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